たまには親心丸出しで、つくりました。
こんにちは。
いち編集部のリアルです。
じつは今日、息子の卒業式です。今でも彼の誕生の瞬間を覚えています。12年前の話ですが、昨日のようです。もう小学校卒業なのですね。よくがんばりました。親として卒業式に参列できる喜びを感じます。首都圏の緊急事態宣言が延長され、コロナ対策のため、「一家族保護者は1人までしか参列できない」、そう思っていたのでなおのことうれしく思います。でも中学校の入学式は保護者1人までだそうです。妻が参加します。地域の学区の小学校の卒業生をまとめて受け入れるのですから人数も多く、式場が三蜜になるからでしょう。もちろん学校側の判断は尊重します。真剣に悩まれて、考えられた結果だと思うからです。子どもたちを預かる現場の先生方こそ、その気持ちはひとしおと思うからです。
【小6児童の新型コロナウイルス感染対策の一例】
修学旅行中止、遠足(国会と日銀見学)中止→近隣公園への縮小遠足に変更(第2波の感染拡大期を考慮し2度延期・第3波の緊急事態宣言下で遠足は中止へ).運動会開催するも学年別の縮小開催(競技2つに限定)、授業参観も朝の読み聞かせも中止。校庭の遊具は使用禁止。体育の授業はサッカーやバスケットボール等の接触をともなう球技種目は禁止、水泳も禁止。合唱祭も見送り。緊急事態宣言下ではすべての部活動中止。卒業式(保護者参列1人迄)。卒業アルバムの写真は校内の写真ばかり。
どちらのお子さんの学校行事もこんな感じと思います。学校における新型コロナウイルスへの対策としてはまず厚労省や文科省の指針があり、それを地域の教育委員会が吟味・対策を講じ、学校の先生方が現場で対応されています。先生方も過去に経験したことがない感染対策に日々追われ、本当に大変と思います。一方、教育現場で感染症専門医が直接指導するという話はあまり聞きません。そういうことをされていらっしゃる医師もいるのもかもしれませんが…。
感染症専門医はまさに臨床の最前線でコロナ対応しなければなりませんし、とても学校の感染対策まではカバーできないでしょう。校医という存在もいますが、校医でかつ感染症専門医という医師も少ないでしょう。今は非常時ですから仕方のないことです。となると、学校の感染対策は、やっぱり児童を預かる学校の先生方に委ねられます。
しかし、コロナの知見や感染を取り巻く状況が日々アップデートされるなか、子どもたちへの感染対策は現状ママでもいいのでしょうか。その吟味やフィードバックは現状ママでもよいのでしょうか…。
・子どもたちへの感染対策は、本当に適切なのか…
・学校行事の縮小や見送りは、本当に必要なのか…
・感染対策(もしかしたら…過剰?)のなかで、子どもたちの教育機会や学習体験は縮小されすぎてはいないのか…
こんなことを親目線ですこし考えたとき、こうしたことのしわ寄せを子どもたちが被るのだとしたら、感染症のプロの目線による「学校の感染対策本」が必要と思った次第です。
本書は、コロナ研究や医療の最前線の話ではないかもしれませんが、感染者の生死や後遺症、社会・経済ロスの話に直結しない内容かもしれませんが、そんな視点を掬うことも出版人の役割なのかもしれません。いいすぎかもしれませんが、全国の親御さんたちの気持ちを代弁したい、そんな想いも込めてつくりました。
武藤義和・著(感染症専門医・呼吸器専門医・総合内科専門医)
学校の先生方,教育関係者の皆様方,そして保護者の方々,どうぞお手にとってご覧いただければと思います。
第1部 感染症を知る
1章 コロナって、どんな病気…?
2章 なぜ予防が大事なの?
3章 新しいウイルスが入ってくると、どうなるの?
第2部 学校の感染症対策(先生方へ)
4章 感染対策の基本の「き」
5章 室内換気
6章 手洗い
7章 マスク
8章 運動
9章 給食・掃除
10章 学校行事(運動会、合唱祭、修学旅行・遠足、授業参観)
11章 休み時間、下校時間、放課後
第3部 学校の感染症対策(保護者の方へ)
12章 家での感染対策はどうするの?
13章 休日の外出
第4部 コロナ禍を乗りきる
14章 子どもたちのメンタルヘルス
15章 情報はどこから得るの?
最後に、コロナ対応で尋常でなく大変なときに執筆を前に進めてくれた武藤先生、先生の貴重なお時間と情熱を本書に割いてくれて本当にありがとうございました。先生の視点や知見が学校現場で活かされることを切に願います。
短期間のあいだに本の完成にまでこぎつけてくれたリアルチームの担当のWさん、Iさん、サポートしてくれたSさん、ありがとう。皆さんの類まれなるチームワークがなければ、この時期に本書のリリースはできなかったでしょう。
ご清聴(読)ありがとうございました。
2021.3.19