いち編集者

いち編集者

マガジン

  • 極論を語ります

    「極論で語る」シリーズのお話

  • 教えて!マジカルドクターの部屋

    子どもたちの心の質問に答えるマジカルドクターの部屋へようこそ! ちょっと変わったお医者さんだけど、病気やお医者さんのこと、なんでも気軽に応えてくれる不思議なお医者さんです。

最近の記事

これまでの12年、これからの12年

 「極論」の歴史をタイトル名と表紙の「顔」でおさらいしてみます。  1 極論で語る循環器内科            香坂  俊 先生  2011/07  2 極論で語る神経内科             河合  真 先生  2014/10  3 極論で語る循環器内科 2版        香坂  俊 先生  2014/12  4 極論で語る腎臓内科                  今井 直彦 先生  2015/06  5 極論で語る感染症内科              岩田健

    • 5.小中学校の図書室に、この本が、そっと置かれていたら…

      ここまで読んでいただき、ただただ感謝しています。もう長いよ、前置き。そんなお叱りの声も聞こえてきそうですが、ようやく『教えて!マジカルドクター 病気のこと、お医者さんのこと』刊行です。「え、まじかよ?」「まじだよ!」「マジカルドクターだよ」、すみません、これがいいたかっただけです。 大塚篤司先生の情感とやさしさがいっぱいつまった医の児童本。油沼さんの描かれた子どもたちの生き生きとしたキャラやユニークな絵の数々。帯には糸井重里さんからすてきな推薦の言葉もいただきました。カバー

      • 4.小学校の教科書はすごい

        すでにお気づきの方もいると思うが、2020年2月、京都での打ち合わせ前後に新型コロナウイルスが日本という国を包み込んだ。「新規感染者数の推移とか」ではなく、「未知のパンデミック」として、新型ウイルスの見えない敵(現象としては見えていたけれど、まだ本質は見えていなかった時期)に科学者も一般人も政府もマスコミも右へ左へと揺さぶられた。 本書の制作もようやくスタートラインのはずだったが、日本中がアクシデントに見舞われ、ドクターオオツカも大学病院のコロナ対策責任者となり、執筆の時間

        • 3.かにクリームコロッケは火傷するほど熱かった

          さて、2020年1月企画は通過したが、社内からいろいろな意見をいただいた。一番のハードルは学術専門出版社から児童書のカテゴリーの本を出すという制作上の心配であった。子どもたちにとっても医療というテーマは難しく、さらにそこにファンタジーの要素をもって見せることができるのか。対象読者は小学生の低学年か、高学年か、あるいは中学生も含むのか、仮に「小学校高学年から中学生」とした場合、常用漢字のどこまでルビ入れ(ふりがな)をするのか。医療や病気の話を展開する場合、見せ方の工夫を重ねない

        これまでの12年、これからの12年

        マガジン

        • 極論を語ります
          8本
        • 教えて!マジカルドクターの部屋
          5本

        記事

          2.その人は、Slackがお好き

          その日は、第1回医療マンガ大賞決定アフタートークイベントの日だった。 初冬の週末、新幹線に乗ってその人はやってくる予定。場所は地下鉄九段下駅近くの軽食のお店。イタリアン風のカフェといった感じだっただろうか。前回紹介したN国際空港におけるドクターオオツカとの打ち合わせ時、じつはもう1つ、大事な取り決め事項があった。本のイラストを誰に描いてもらうのか。当然編集部からいくつか候補となるイラストレーターや漫画家さんの名前を挙げた。ええ、ええ…。ドクターオオツカは人の話を否定しない。

          2.その人は、Slackがお好き

          1.その気持ちはとても純粋、でもその方法は適切でない

          信じがたいことかもしれないが、首都圏(俗にいう通勤圏)に住んでいても、まだ無人駅というものがある。実際、無人駅を使って都心に向かうのだからすごいと思うが、かくいうわたしも自宅からほど遠くない距離に無人駅がある(お察しください)。 さて、2019年11月の早朝、家族が運転する車に乗せてもらい、その無人駅に向かった。さるお人と会うためである。場所はN国際空港。寒い。晩秋、あるいは初冬。ようやく陽がのっぼったくらいの時間帯、オレンジ色の太陽の光がホームに斜めにすべるように入り込ん

          1.その気持ちはとても純粋、でもその方法は適切でない

          たまには親心丸出しで、つくりました。

          こんにちは。 いち編集部のリアルです。 じつは今日、息子の卒業式です。今でも彼の誕生の瞬間を覚えています。12年前の話ですが、昨日のようです。もう小学校卒業なのですね。よくがんばりました。親として卒業式に参列できる喜びを感じます。首都圏の緊急事態宣言が延長され、コロナ対策のため、「一家族保護者は1人までしか参列できない」、そう思っていたのでなおのことうれしく思います。でも中学校の入学式は保護者1人までだそうです。妻が参加します。地域の学区の小学校の卒業生をまとめて受け入れ

          たまには親心丸出しで、つくりました。

          第2版出ます。もう【極論で語る】シリーズで、最薄とは言わせない(刊行直前)

          こんにちは。 いち編集部のリアルです。 さて,刊行記念特別インタビューはいかがでしたでしょうか.そしていよいよ『極論で語る神経内科 第2版』(河合 真著、 香坂 俊監修、 龍華朱音イラスト)が刊行されます。刊行直前,本編の「監修者・まえがき」「著者・まえがき」「目次」を紹介します。 監修者・まえがき「極論」神経内科の初版は大変好評をいただきました.河合先生の執筆された内容は,臨床神経内科の「凄み」を十二分に伝えてくれるもので,どのチャプターも一線の現場からの生の声を届け

          第2版出ます。もう【極論で語る】シリーズで、最薄とは言わせない(刊行直前)

          あのソボッタが帰ってきた!

          こんにちは。新年あけましておめでとうございます。 いち編集部のリアルです。 さて、本日のお話は、いち編集者の主観に基づく「ひとり語り」です。途中で「ん?」と思われた方はどうぞスルーされてください。 はい、まずですね。 医学書を扱う出版社が一番出したい本は、何だと思いますか?  いろいろ迷いますね。でもわたしが思うに…それは,解剖学の本。それもアトラスではないしょうか。つまり解剖学アトラス。アトラスとは図譜のことで、図や写真を集めて分類した見本帳のようなものでして、解

          あのソボッタが帰ってきた!

          第2版出ます。もう【極論で語る】シリーズで、最薄とは言わせない(第3回)

          こんにちは。 いち編集部のリアルです。 いよいよ…です。待ちに待ったと申しますか、河合真先生の『極論で語る神経内科 第2版』が年明けの1月15日にリリースされます。 初版は2014年刊行ですから7年ぶりの再生。再生という言葉を用いたのは『循環器内科編 第2版』の改訂のときもそうでしたが、【極論で語る】シリーズならではの大胆なフルモデルチェンジだからです。今回は新たに「頭痛」「末梢神経障害」「めまい」とコモンな疾患の章を書き起こしていただきました。目次構成も一変。 さて

          第2版出ます。もう【極論で語る】シリーズで、最薄とは言わせない(第3回)

          第2版出ます。もう【極論で語る】シリーズで、最薄とは言わせない(第2回)

          こんにちは。 いち編集部のリアルです。 いよいよ…です。待ちに待ったと申しますか、河合真先生の『極論で語る神経内科 第2版』が年明けの1月15日にリリースされます。 初版は2014年刊行ですから7年ぶりの再生。再生という言葉を用いたのは『循環器内科編 第2版』の改訂のときもそうでしたが、【極論で語る】シリーズならではの大胆なフルモデルチェンジだからです。今回は新たに「頭痛」「末梢神経障害」「めまい」とコモンな疾患の章を書き起こしていただきました。目次構成も一変。 さて

          第2版出ます。もう【極論で語る】シリーズで、最薄とは言わせない(第2回)

          第2版出ます。もう【極論で語る】シリーズで、最薄とは言わせない(第1回)

          こんにちは。 いち編集部のリアルです。 いよいよ…です。待ちに待ったと申しますか、河合真先生の『極論で語る神経内科 第2版』が年明けの1月15日にリリースされます。 初版は2014年の刊行ですから7年ぶりの再生。再生という言葉を用いたのは『循環器内科編 第2版』の改訂のときもそうでしたが、【極論で語る】シリーズならではの大胆なフルモデルチェンジだからです。今回は新たに「頭痛」「末梢神経障害」「めまい」とコモンな疾患の章を書き起こしていただきました。そして目次構成も一変。

          第2版出ます。もう【極論で語る】シリーズで、最薄とは言わせない(第1回)

          やさしく寄り添う医書のあり方 『あめいろぐ女性医師』この本,間違いなく面白い

          こんにちは。 いち編集部のリアルです。 9月新刊『あめいろぐ女性医師』,これまで2回にわたり,医師に向けられるバイアス,そして女性医師に向けられるバイアスについて紹介しました. ようやくですが,『あめいろぐ女性医師』,本日発売です. 「この本,間違いなく面白い」 は,あめいろぐシリーズ監修者の反田篤志先生のお言葉です.このように正面切って監修者がコメントされるというのはあまりみられないかもしれません.でも,今回は社会学的な内容ですし,たぶん臨床とか,具体的な治療のア

          やさしく寄り添う医書のあり方 『あめいろぐ女性医師』この本,間違いなく面白い

          やさしく寄り添う医書のあり方 『あめいろぐ女性医師』 「男医」はないのに「女医」という呼称はなぜあるのか?

          こんにちは。 いち編集部のリアルです。 9月新刊『あめいろぐ女性医師』,前回は, 医療者に向けられるバイアスの視点 について述べました.  男女のかかわりなく,医師というプロフェッションに対する世間が向ける目線と医師の生活の乖離.そういうバイアスがあるとすれば,「医師の働き方改革」の議論に対する国民全体の理解や関心は,どこかよその世界の話でありましょうし,上滑りの議論で終わってしまうことでしょう。それに加えて、医療職は聖職だから,「自分たちの生命や健康を優先してくれ

          やさしく寄り添う医書のあり方 『あめいろぐ女性医師』 「男医」はないのに「女医」という呼称はなぜあるのか?

          やさしく寄り添う医書のあり方 『あめいろぐ女性医師』 医療者に向けられるバイアス

          こんにちは。 いち編集部のリアルです。 8月は「やさしく寄り添う医書のあり方」、そして「医療者に寄り添うやさしい情報提供のあり方」というテーマで、5回にわたり『あめいろぐ高齢者医療』の話をしました。そういえば2回目のNOTEは、こんな結びでしたね。 ちょっと長くなってしまいましたので、『あめいろぐ高齢者医療』の紹介は次回より、そんな視点も加えて投げかけてみたいと思います。逆に『あめいろぐ女性医師』は、医療者に向けられるバイアスの視点から紹介します。 医療者に向けられる

          やさしく寄り添う医書のあり方 『あめいろぐ女性医師』 医療者に向けられるバイアス

          『あめいろぐ高齢者医療』出版記念・オンラインカンファレンス ~頭の体操? コペルニクス的転回? 肝心なことは何…?(第3回)~

          モデレーター:反田 篤志(監修者) コメンテーター:樋口 雅也(著者),植村 健司(著者) (前回の続き・最終回) あめいろぐ書籍化シリーズ第4弾は『あめいろぐ高齢者医療』です.8月に丸善出版から発売されました. 刊行を記念して,著者の樋口雅也先生と植村健司先生をお招きし,日米の高齢者医療事情や米国のコロナ問題など,本音ベースで語っていただきました.樋口先生は家庭医療の専門にして,老年医学とホスピス・緩和ケアのスペシャリスト,かの有名なMGH(マサチューセッツ総合病院)

          『あめいろぐ高齢者医療』出版記念・オンラインカンファレンス ~頭の体操? コペルニクス的転回? 肝心なことは何…?(第3回)~