【人体改造カラダコラム vol.23】
人体改造カブ式会社とは、札幌駅前通地区全体の健康=エリアヘルスマネジメントに取り組むプロジェクトです。23回目のコラム執筆者は、シャチョーの照井レナさんより、終活のお話です。
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親に終活を頼まれて
来月にはもうお盆が来ますね。
私の実家は秋田では、お盆には家族全員が帰省して最もにぎやかな時を過ごします。
昨年のお盆は、折しもコロナ禍にあった札幌。年老いた両親のところへの帰省を控えました。
すると、8月の終わり、父から「終活をしたいのだけれども…」と電話が掛かってきたのです。齢82歳と81歳の両親ですし、4人姉妹のなかで唯一嫁に行っていない家つき娘の私への頼みごと。時期だなと覚悟し、おそらくコロナが下火になっているだろう10月上旬の3日間を、“その時”としました。
片付けが始まると、箱に入ったままの引き出物や香典返し(実家のある地域の習わし?でしょうね)の毛布、綿毛布、タオルケットなどの山で、驚いたことに40箱以上もありました。彼らが天国に召されるまでに全部使い切ることができない数です。それだけ多くの人とお付き合いし、喜びとお別れを経験してきたとも言えます。それらは、何が入っているかわかるように、箱の見える位置に黒のマジックペンで大きく書くだけにして、リサイクルなどには出さないでそのまま任せてきました。最終的には、私が引き受けるのでしょうけれど。
このような経験の中で確認した両親の生きざまやその思い、お話しした内容は、彼らに認知症の症状が出てきた時など、代理意思決定の重要な情報となります。もちろん認知症であってもご本人の体調の良い時に意思を聴くことはしますが、「お父さんが元気な時、こう考える人だったな」「お母さんだったら、こっちのほうを好むだろうな」というように、問われていることの回答を聴いていなくても、意思決定をすることができます。その時がきたら、私たちは一旦迷うのかもしれませんが、そのように考えていくとそれが真だと言えます。たとえ認知症を患っていても、見事な幕引きができるように支えてあげられるのです。
両親の終活を経験は、同時に私自身の終活を意識させました。この拙文を読んでくださっている方で、そろそろ両親が心配になるお年頃の方には、これを機に、地方に実家がある方はお盆に帰省して、同居の方はいつでもできると思ってできないことも多いですから時を決めて、親御さんとあなたの協働作業をしてみませんか?あなたにとっても、自分の気持ちに向き合うことができる時間となり、そしてこれからどう生きるか方向性が見える時間になると思いますよ。
(シャチョー 照井レナ)
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