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【札幌駅前で健康づくり×まちづくり】人体改造カラダコラム vol.63

人体改造カブ式会社とは、札幌駅前通地区全体の健康=エリアヘルスマネジメントに取り組むプロジェクトです。63回目のコラムは、シャチョーの照井レナさんです。 


「小さい人」

「『無理心中』は虐待だと知って! 子ども635人が過去約20年で犠牲(朝日新聞デジタル,2024年12月1日 9:00配信)」というニュースが私の目に飛び込んできました。 

それは、2023年4月、政府の子ども行政部門として設立された「こども家庭庁(内閣府・外局)」が行った調査の結果でした。

被害児は、0歳が最も多く77人、次いで5歳(53人)、6歳と9歳(50人)。加害者は、7割近くが「実母」、2割近くが「実父」、そして「実母と実父」。実母が抱えていた心理的・精神的問題は「育児不安」「精神障害」「うつ状態」が各々25%、実父は、「育児不安」「衝動性「怒りのコントロール」「DVを行っている」が各々5%という結果でした。

私は、今年から始まった「こども家庭ソーシャルワーカー」認定資格の教育を担っていることもあり、ことさら当事者感をもって記事を読みました。

身体的虐待、ネグレクトなどに比べて、『無理心中』は親に明確な殺意があるにもかかわらず虐待死としての世間の関心が低いと言われています。この意識改革にも対処すべきですが、私自身がより必要だと感じるのは、自殺対策としての取り組みです。

困難を抱えている親が追い込まれて無理心中は起こります。前述したように実母も実父も「育児不安」を抱えています。よって、親を批判するだけでは再発防止どころか、もっと頑なにし、追い詰めてしまいます。彼らはどのような背景を持つのか、どのような状況にあったのか、不寛容な社会に追い詰められてはいないか、個々の事例をつぶさに検証し対策を考える必要があるのだと思います。

NHKの子ども番組『できるかな』のノッポさんは、子どものことを「小さい人」と呼んでいました。子どもは、生まれながらに人権を、生きる権利を有する人なのです。

11月20日は、「世界の子どもの日」。1989年「児童の権利に関する宣言」が国連総会で採択された日です。締約国とその国の人々は、現在や未来において子どもによりよい結果をもたらすよう応援をしていく存在なのです。もちろん、子どもにも大人にも敬意を持ちつつ。

シャチョー 照井レナ


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