【元大手消費財マーケターが教える】コンセプトの作り方/コンセプトシートを使った調査方法

前回一念発起して、下記のnoteを書いたところ多くのご連絡を頂き、
事業を創る過程においてどのようにコンセプトを作るのかお伺いいただくケースが多かったため、コンセプトの作り方について簡単ですが書いてみようと思います。

前回のnoteはこちら。
https://note.com/jinshi_watanabe/n/n983e8f03e1bf


コンセプトとは

ChatGPTに聞いてみたところこんな感じでした。

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「コンセプト」とは、あるアイデアやプロジェクト、製品などの基本的な考え方や全体的なテーマを指します。これは、具体的な計画や実行の基礎となる抽象的な理念やイメージです。コンセプトは以下のような特性を持つことが多いです。

  1. 基盤となるアイデア: プロジェクトや製品の方向性や目的を示します。

  2. 一貫性: 全体を通じて一貫したメッセージやテーマを持ちます。

  3. 創造性: 新しい視点やアプローチを提示します。

  4. コミュニケーションツール: チームやステークホルダー間での共通理解を促進します。

たとえば、新しいレストランを開業する際のコンセプトが「地元の食材を使った健康志向のカフェ」であれば、メニューの内容やインテリアデザイン、マーケティング戦略などがそのコンセプトに基づいて決定されます。

コンセプトは、ビジネス、デザイン、マーケティングなど様々な分野で重要な役割を果たし、成功の鍵となる要素です。

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コンセプトは、マーケターが周囲の協力者を動かしていく核になるものです。
ChatGPTの内容もうまく活かしてイノベーションの文脈で言語化すると、
”今までにない創造性に富んだ新しい切り口のアイデアで、一貫した組織の行動の指針となり、組織を動かすためのコミュニケーションツール”と言えるかもしれません。

面白い切り口のコンセプトは、組織を動かす原動力になりますし、自分たちが迷った時に戻ってくる行動の指針になります。

コンセプトの構成要素

構成要素

コンセプトの構成要素は、シンプルです。

コンセプト=RTB+Benefit+差別的カテゴリ名
①RTB=Reason to believe:顧客がそのプロダクトを信じる理由
②Benefit :顧客が獲得する便益
③差別的カテゴリ名:差別化された
文章にすると、
「RTBなので、Benefitできる差別的カテゴリ名」
コンセプトは?と聞かれた時には、シンプルにこの形で表現できることが重要です。

コンセプトの具体例(yuppa,GABA)

具体的に私が展開しているブランドの"yuppa"を使って表現してみます。
"yuppaのコンセプト"
RTB:京生湯葉と旬の彩鮮やかで栄養豊富な野菜を沢山使ったファストフードなので
Benefit:外食シーンで、食の楽しみを諦めることなく、栄養バランスの整った食事が手軽に食べられる
差別的カテゴリ名:精進ファストフード

【プロダクト】yuppa
【プロダクト】yuppa

他にももう1例、江崎グリコのGABAは説明しやすいので、コンセプトを書いてみます。
"GABAのコンセプト"
RTB:一口サイズのGABAを配合したチョコレートなので
Benefit:ストレスを感じた時に、手軽にストレスが軽減できる
差別的カテゴリ名:メンタルバランスチョコレート

【プロダクト】GABA

コンセプトシートの使い方

定性調査の途中で、コンセプトシートを使って、想定ターゲットに対して
自分たちのコンセプトに対して良かったこと/良くなかったことを聞いていきます。
聞き方などにもコツはありますが、今回は省略します。

  1. ターゲット設定

  2. ターゲットのお困りごと、解決したいこと(ジョブ)を設定
    (定性調査などを事前に実施することが多い)

  3. 解決したいことについてアイデアを作る

  4. アイデアをコンセプトシートに表現してみる(今回のnote)

  5. コンセプトシートをターゲットに見せてみる

  6. フィードバックを受け、良かった点や良くない点を見つけブラッシュアップ

コンセプトシートの作り方

先ほど作成したコンセプトをコンセプトシートに落としてみます。
コンセプトシート最上段には、ACB(Accepted Consumer Belief)と呼ばれている、お客様のお困りごとの気持ちを予想して提案した文章を差し込んでいます。

そして先ほどのRTB,Benefit,差別的カテゴリ名を文章にして表記します。
※なるべく短く!といつも上司に怒られていました笑

【コンセプトシート】yuppa

コンセプトシートを用いた調査方法(簡略ver)


1.コンセプトシートをターゲットと考えているお客様に定性調査の中でお見せし、文章を読み上げる。
2.その中で自分にとって良いと感じられた部分や良くない/自分向きでないと感じられた部分を聞き取り、そのポイントについて何を考えたのか伺う。
3.購入意向を5段階に分けて聞く。その数字を選んだ理由を聞く。
例 1:ぜひ買いたい 2:買いたい 3:どちらでもない 4:あまり買いたくない 5:買いたくない

Tips. 2について
しばしば、客観的にコンセプトシートを判断される方がいらっしゃいます。
例えば「こういう人には良いと思います」などそういった発言です。
その際には、〇〇さんにはどうですか?とあなたにとってはどうですか?という風に軌道修正してください。

Tips. 3について
5段階評価で、例えば4を答えた方には、「なぜ4(買いたい)なのですか?」と聞くのではなく、「5の是非買いたいまで行かなかったのは、どういうこと(バリア)があって4になったのですか?」など5までいかなかったバリアを聞くことで、その人にとっての障壁を理解することができるのでおすすめです。

最後に

今回は簡単に、私が立ち上げたブランドのyuppaとGABAを用いて
コンセプトシートの作り方を簡単ですが調査方法を書いてみました。

C/Pバランスと言う、コンセプト(C)と実際のプロダクト(P)のバランスを確かめるためにコンセプトを見せて評価してもらってから、プロダクトを試して評価してもらうことで、コンセプトが良くないのか?コンセプトは良いがプロダクトが追いついていないのか?自分たちの改善するフェーズを判断することができます。

ぜひ自分たちのアイデアがターゲットにとって刺さるものなのか簡易的に確かめる方法としてご利用ください。

今回ご紹介したyuppaブランドは、先日立ち上げたばかりのブランドです。
ぜひフォロー、応援のほどよろしくお願いいたします!

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