見出し画像

子をダシに親に甘えようとした結果

玉砕しましたよ!という話。
そういう執着の仕方はよくないなと、改めて学びました。反省。子よゴメン。

子が生後9か月頃。一言で表すと、私は完全に育児ノイローゼになっていた。離乳食、授乳、おむつ替え、夜泣き(ひどいときは15分ごとに泣く)、山積みの家事、保育園の準備、職場復帰の準備。ワンオペなのでタスクはたまっていく一方なのに何一つ思い通りには進まない。
人に言ったことはないのだが、このころ私は、子どものふにゃあふにゃあという泣き声が本気で「役立たずめ!死ね!」と聞こえていた。本当に言っていたら天才児どころの騒ぎではない。
自分でもこれ本当にやばいなと思っていた。(保健師さんに一度電話したような気もするが記憶が定かでない)

ある土曜日。夫は遠方へ、旧知の友人と遊びに行っていた。
それ自体は前々から計画していたことで、私もOKしていたことだ。(今考えると、おれもたまには息抜きさせて!と言われて嫌とは言えなかっただけの気もする……)
しかし、朝から「今日は本当に誰にも頼れない」というプレッシャーで、頭が割れそうに痛かった。
痛みはどんどん強くなり、昼ごろには立って子をあやすことができなくなった。このまま私が死んだらこの子はどうなるのだろう、ということばかり考えていた。
明日、夫が帰ってきたら死んだ私の横に汚物にまみれ空腹で泣く子がいて、なんでこんなことになる前に子を安全なところに預けなかったんだと責められる想像でいっぱいだった。(死んでるのだから何を言われても関係ないのだが、それもよく分からなくなってた)

とにかく、私が元気にならなければ子が危ない。休日診療の病院に、頭痛がひどくて病院にかかりたいのですがと電話する。
「頭の場合はいろいろ検査が必要になると思われますが、その間お子さんは預かれません。誰かに預けて来てください」
電話を切った。
夫は今頃コンサートを見ていて、電話は通じない。
もう、頼れそうな人はひとりしか浮かばなかった。
母に、電話をかける。
土曜も仕事の母だが、ちょうど昼休みだったのか、奇跡的に電話に出てくれた。(一度でつながったことは今までなかった)
「あの、いま一人で子どもを見てるんだけど、すごく頭が痛くて、世話が難しくて……急で悪いんだけど、来てもらうことって、できないかな」
勇気を振り絞ってそれだけ言った。勝手に涙が溢れて、吐きそうだった。
これだけ窮状を訴えているのだから、母は今回ばかりは私を優先してくれるのではないかと、心のどこかで思っていた。返ってきたのは、即答だった。
『今日は仕事だから、無理だよ。旦那さんは?』
電話を切った。

実家から私の家までは電車で約一時間。確かに遠い。向こうも外せない仕事なのだろう。
結局私に残ったのは、頭痛と、自分が子をダシに親に甘えようとしたという恥ずかしい事実だけだった。
もう私は、母の子ではない。子の母なのだ。書いてて自分でもよく分からなくなってきた。

頼れる相手を作ってこなかった私の責任である。子はとにかくよく泣き、寝ない子だったが、それは私が感じている不安やプレッシャーを感じ取って泣いていたのではないかとも思う。子、本当にごめんな。

この、変に期待して勝手に失望するくせは今でも治ってない。勝手に失望された相手も絶対いい気分じゃないだろうから、なんとかいい感じに執着を手放していきたいんだけどな。難しいですね。(結論で力尽きるな)

いいなと思ったら応援しよう!