ニコニコしている子のほうがカワイイ、なんてわかってるけど


先日、友人と友人のお子(一歳未満)に会ってきました。
 
数ヶ月前に会った時より人間らしくなった表情と、意志がはっきり伝わる動きが見られるようになって、子育て経験もなく近くにアカチャンがいたことのないわたしは「この生き物おもしろいなー」なんて思ってしまいました。
 
しばらく楽しそうにしていたその子。ある瞬間からご機嫌斜めになってしまい、お別れの時まで泣き止むことがなかったのです。
 
「普段こんなことないのになーめずらしい」
 
と友達。
 
でも前夜あまり眠れていなかったようで、それはしょうがない、ねむたいねぇ〜お外やだねぇ〜なんて声かけながら、「わたしたちにもこんな小さな時があったなんて」「何を言っても言うこと聞いてもらえてたなんて」と笑っていたのですが。
 

 
自分の子ども時代を思い出そうとするとどうしても楽しくない記憶もくっついてきてしまう。
 

 
少し前、弟が家庭を持ってから初めて家族みんなで旅行に行った時のこと。
 
二人目の坊はいつもニコニコしていてほとんど泣かない。泣いてもすぐ泣き止むし、こちらがあやそうとして何かすると全てに笑ってくれる。
お姉ちゃんは2歳になるくらいで少しずつ言葉も覚え、もともと神経質なきらいがあったのが主張が激しくなって、大人たちはご機嫌をとるのに四苦八苦。
 
そんな時わたしの母(彼らの祖母)が言いました。
 
 
「やっぱり愛想のいい子は周りからかわいがられるわよね」
 
 
 
わたし、内心ドン引きしました。
 
笑顔が多いか多くないかでかわいいかわいくないが決まるんだ。それ、自分の孫に言っちゃうんだ(孫に直接言ったわけではない)。
 
お姉ちゃんの頑固で難しいのはわたしが見ててもわかるけど、きっとそれは何かいろいろ考えたり感じたりしているからじゃないのか。それを言葉にできないからぐずるんじゃないのか。そんなの仕方ないじゃないか。何されても笑顔な人もいれば、気に食わないことが人より多い人間もいるだろう。よし、わたしは今後この子を目にかけよう!わたしもそうだし!
 
 
そう
 
 
わたしも、同じように思われているとわかっているから、そんなことで家族からかわいいかわいくないを判断されたくないと思ったのです。
 
 
 
 
わたしはその家族旅行の時には思い出さなかった子どもの頃の記憶を、友人の子どもを見ている時に、家族旅行での母の言葉と同時に思い出しました。


わたしは母から直接言われたことがあったのです。
 
 
「○○(妹)と△△(弟)はいつもニコニコしててかわいいけど、あなたはいつも無愛想でかわいくない」
 
 
 
 
これ、今なら聞く人が聞けばネグレクトだとか親としてどうだとかうるさいことになりそうですね(苦笑
 
わたし自身、当時は「は?うるせーなクソばばぁ」と思うだけでしたし、今となってはニコニコしたかわいい女の子になって愛してくれる人の多い人生にしたかったのだろうという気持ちは理解するところ。 
だがしかし、ニコニコできない自身の性分を真っ向否定されたことはやっぱりどこかでずっと引っ掛かっているのです。
 
楽しいことがあれば笑うのに、どうして楽しくないことでもニコニコしなきゃいけないのか。
いやなことをされたから怒っているのに、どうして毎度「なんでそんなことで怒るの」と言われなきゃいけないのか。
人と好き嫌いの基準が違うだけなのになんで変な子ども扱いされるのか。
 
思い出せばずーっと昔、そんなことを毎日毎日腹の中に思いながらいたような気がします。
 
人より神経質だったり頑固だったりの自覚はあるから、それをなんとか周りにも悪く思われないように自ら「わたし変わってるから」みたいな宣言をすることでやってきたけど、この年になると変わってるも何ももっとやばいやつはたくさんいるし、大人になって都会で暮らしていると、ニコニコできないことよりも無理にニコニコして自分を疲れさせるほうが損じゃないかって。バカバカしいのよほんと、無理にする愛想笑いって。
 
 
かわいくない、と親から言われたこと。
わたしはかわいくないんだ、と思ったこと。
愛想って作んなきゃいけないんだってこと。
わたし自身の気持ちを聞いてもらえなかったこと。
わたしの性格を否定されたこと。
 

全てが今のネガティブなわたしに、ぜったい繋がっていると思うから言います。
 
 
 
 
  
子どもにどんな人間になってもらいたくても、子どもにも親とは違った生まれ持った性格や性質があります。
そこを変えようとしないでください。
痩せ型で、美人で、朗らかに笑顔で、裏表なく、頭が良くて、友人が多く、大人を敬い、子どもをかわいがり、好き嫌いなく、タバコもやらず、適度に流行りの服装を好み、TPOがわかり、そこそこの仕事を手にして、コツコツと貯金をしつつそこそこの経験になる遊びはし、そこそこの年齢で結婚する。

そんな人間、大谷翔平しかいない!!!
今のところ。

大谷翔平くんのような子どもになってもらいたいなら、あなた方の遺伝子からどうにかしてください。
なんだかんだ言っても最終的には素直な性格で、犯罪を犯さず、自活できてれば、ダメですか?
嘘をついたり暴力をふるったり、どうしてもダメなことはダメだけれども、変わりもしない容姿や性格のことをとやかく言っても、整形するか生死に関わる経験でもしなければ変わりませんよ。
そうやって変わらないことを言い続けて子どもの自尊心を傷つけてわたしのようなネガ・ティブ子に成長した子どもに更に「どうしてあなたはそうなのかしら?」って言い続ける人生がいいですか?
真面目に変わろうと躍起になった子どもを苦しめてどこかで失いたいですか?
 
 

ニコニコしていなくても性格の良さをわかってくれる人はいます。
神経質だけれどもそれを「きちっとしている」と捉えてくれる人もいます。
わたしの性格は結構難ありな自覚はあるけれど、一応素直で意地悪なところがなく、きちんとした風に見られるので、子どもの頃よりは友達もいます。
 
そんなもんですよ。
 
何クソ根性で変われる人もいるんでしょうけど。何クソと思う子もいれば、否定をされたら素直に自分を否定してしまう子も当然いますから。
 
子どもの幸せな将来を願うなら、どうか、ダメなことをしたらダメ、だけどあなたという人間はダメじゃないっていうメッセージをちゃんと送ってあげてください。
一度二度、感情的になってひどい言葉をかけてしまったとしても大丈夫だと思います。取り返せます。子どもの時間は長いから、親の言葉の意味を反芻して、更新していくことも可能です。
 
要は、親が子どものことを信じているかどうかです。

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