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中国、コロナ前後の業界変化

コロナウィルスの感染が現在も世界中で拡大し、多くの企業が経済的ダメージを受けています。中国国内では、コロナウイルスの拡大が徐々に終息へ向かい、アフターコロナ時代の成長企業も明らかになってきました。

中国ではどのような業界がこの時代に成長していくのか、中国進出をお考えの方々にご参考にしていただければと思います。

1.美容医療

中国の美容医療市場は、2015年から飛躍的に成長し、直近の年間成長率は前年比39.1%となりました。

しかし、コロナショックで中型チェーン店が毎日10万元赤字の経営損失をだし倒産してしまいました。隔離政策の影響でオフラインでの来店客数が減少しましたがネイル/美容/整形の需要が向上しました。

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4月頃、中国でのコロナ拡大が終息すると同時にオフラインの来店客が回復しました。618イベントのデータによると、「美团(meituan)」での美容医療に関するオンライン売り上げが21.7億元を超え133%の増加。また、美意識の高い20代の「顏值(顔点数)」経済が向上し、アンチエイジング、シワ取り、植毛などのサービス中で25−30歳の購買比例が148%増となりました。

市場の予測データによると、2023年で美容医療ユーザーが2,548万人を超えると言われています。近い将来で、中国の美容医療は巨大市場となり得そうです。

2.冷凍食品

コロナウィルスの期間、冷凍食品業界も成長を続けてます。数多くの業界が打撃を受けている中、冷凍食品業界はこの危機を転機にし、2020年第1Qで6.3%の成長となりました。

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この成長はおそらく自粛期間中の買いだめが要因と思われます。

ただしコロナ収束後、オフラインの飲食店も回復してる中で今後の消費者意識の変化によってはこのままの成長は見込めないであろうことも予想されます。

3.インスタント火鍋

中国国内でのコロナ拡大期間、マスクの次に購入困難な商品と言えば、インスタント(自主加熱)火鍋でしょう。

ご存知の方も多いかとは思いますが火鍋は中国で大人気の国民食なのでオフライン店舗に行けない期間はタオバオとJDの両方で長い時間在庫切れとなり、一時期オフラインも購入できない状態となりました。

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オフライン店舗に行く機会が減少したことで消費者はインスタント食品や自炊を選択することが多くなりました。それと共に濃い味付のインスタント火鍋が新しいジャンルとして確立され、若い消費者の心を掴みました。

データによると、購買年齢層中18—24歳が47.75%、25—29歳が19.61%で、インスタント食品を食べる習慣がなかった消費者も購入するようになりました。

先程の冷凍食品業界同様、コロナ収束後にインスタント火鍋市場の成長がこのまま続く、ということはないとは思いますが、商品自身の価格設定、味付のバリエーションの改善によってはまだまだ市場の拡大可能性はあるかもしれません。

4.完全食

コロナ期間、飲食と生活バランスが乱れる方々も多かったと思います。

その為、ダイエット及びダイエット食品の需要も向上しました。中国国内における「健康」に対する意識がこの10年間で向上し、消費者が便利と健康という2つのメリットを追求したことで、完全食の市場が拡大しました。35歳以下の女性は完全食のメインユーザーであり、市場の70%以上占めてます。

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中国国内では完全食自体のイメージをひっくり返すような商品ラインアップが出現し、辛いプロテインバー、山椒味鶏肉など商品の機能性だけではなく、美味しさも重視し中国人の好みに合わせています。

商品の他、企業が健康に関するアドバイザー/プランナーなどのサービス提供をはじめ、企業理念の宣伝もかねることで若い消費者の好感度を獲得している例もあります。

5.まとめ

新型コロナウイルスにより中国の各業界は大きな影響を受けました。終息へ向かう中でも、新しい商品と業界が出現、成長し、消費者の生活に影響を与えています。その中で、Z世代と呼ばれている25歳以下の消費者を重視し始めている印象も受けます。

収束した後もこの様な新たな消費習慣は一部残り、今後、中国進出をお考えの企業様にも影響を与えることと思います。

ライター:靳鴻雁(ジン・ホンヤェン)

KEMBOホームページ:http://kembo-net.com

お問い合わせ:info@kembo-net.com


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