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秋の若葉

北海道はお米の収穫が最終盤となり、これから徐々に寒さが増していく。そんな冬に向かう時期というのに、ようやく新緑が出そろった畑があちらこちらにみられる。

秋まき小麦である。

秋まき小麦はその名の通り、秋=9月中下旬に種まきを行う。北海道では、上の写真のような、ちょうど秋まき小麦の芽が出そろった畑があちらこちらで見られる。この時期、畑の中で筋になって見える若葉は、まず小麦だと言って間違いない。

芽が出た後は、葉を増やしながら冬越しのための栄養を蓄えていく。その後、4ヶ月にもわたる冬のあいだ、雪の下でじっと耐えるのだから、たいしたものだ。

この秋まき小麦が収穫を迎えるのは、来年の7月末頃である。毎年のことであるが、このまま順調に生長して、実りの麦秋(夏の季語)を迎えるのを今から楽しみにしよう。


ちなみに、世界地理の授業で、北米には冬小麦と春小麦があるというのを習った記憶がある。緯度によって地帯が分かれていて、冬と春?、南と北?、どっちだっけと、大坂夏・冬の陣と同じくらいややいこしい思いをする。

小麦は原産地付近では、本来冬に育つもののようだ。なので、世界的には基本的に冬作物に分類される。寒さにはけっこう強くて、暑すぎるのは苦手な作物だ。しかし、冬にマイナス何十℃まで下がったり、長期間雪が積もるところでは、小麦が枯れてしまう。そういった冬の厳しい地域では、寒さの心配がない時期に春小麦を栽培するのだ。冬が南で春が北だ。ちなみに大阪は冬が先で夏が後だ。

冬小麦というのは、北海道では秋まき小麦のことである。本州の小麦はすべて冬小麦に相当する。ちなみに本州の小麦品種は、北海道の厳しい冬を越せない(雪の下で枯れる)。本州の品種を北海道で栽培する場合は春小麦となる。うん、やっぱりややこしい。