天皇制支配、資本主義の次の世界に
【ぷりずむ】1671号, 2019年2月3日
今年は世界中で経済も政治も矛盾が深まり世が大きく動く。同時に日本では、支配体制の揺らぎを天皇代替わりの諸行事と天皇礼賛で覆い隠そうとするだろう。日本の方がずっとひどい状況なのに、フランス人は立ち上がり、日本人は黙って耐える▼そのわけをひと言でいえば、竹内好が「一木一草に天皇制がある」という天皇制だ。この天皇制の克服は、近代主義的な反天皇運動では不可能である。天皇制という根深い大きな木を倒そうとして、表に出た所を叩いているだけだからだ▼天皇家の祖先は千数百年前大陸からやってきた。その支配権が確立したころ、古代日本の各地の王権の歴史を簒奪し「日本書紀」を書き出し、日本列島に内発した王権であるとの虚構をうち立てた。そしてその虚構と矛盾する多くの文書を焚書にした。彼らは、農業共同体が行ってきたさまざまな習俗を取り込み、天皇家がそれを代表するかのように振舞うことで支配の権威を打ち立てた。今年行われる大嘗祭も、もととなる祭は収穫の感謝祭であった▼資本主義が終焉期をむかえたなかでの代替わりだ。これにまどわされてはならない。資本主義の次の時代を見すえた私達の理念と運動が問われる一年となる。 (n)
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