キャリアコンサルタント資格勉強〜Vol.9「アサーション」

今回はカウンセリング理論の1つ「アサーション」についてまとめます。

キャリアコンサルタントのカウンセリング理論について見ていく中でやや重要めに書かれている印象だったので、アサーションだけ取り上げました。

■歴史的背景
1950年代に行動療法のひとつとしてアメリカで発祥された。
1970年代、アメリカの公民権運動において「人種差別・性差別・人種的マイノリティ」としてこれまで抑圧されていた人々が急に自由な発言を許され、「何をどう発言・表現してよいのか分からない」という問題が発生した。
この事を解決する療法としてアサーションが見直された。

それ以後「誰もが自分の考えや気持ちを表現してよい」という表現の自由と権利の視点から捉えなおされ、より広い視野と方法を含んだひとつの訓練法として世界に普及した。

■理論的背景
・概念
アサーションとは「自分も相手も大切にした自己表現」と定義される。
自分の考え、欲求、気持ちなどを率直に正直にその場の状況にあった適切な方法で述べること。

考え方として、人間はそれぞれ考え方や感じ方が違っていて当然であり、相手はこちらの意図とは違う受け取り方をすることもある、それは尊重される必要があるとしている。

アサーションは思い通りに相手を動かす表現スキルではなく「相手も自分も大切にする表現やそれを目指す態度をも含む生き方」とも言える。

・自己表現パターン3つ
※自己表現パターンの理解・区別が重要

①非主張的表現「私はOKでない、あなたはOK」
 服従的、相手任せ、他人本位、自己否定的、卑屈、引っ込み思案

②攻撃的表現「私はOK、あなたはOKでない」 
 支配的、相手に指示、自分本位、他者否定的、尊大、強がり

③アサーション「私もOK、あなたもOK」
 歩み寄り、自他協力、自他調和、自他尊重、率直、正直

※アサーションにおいて自己主張した場合、周りの環境が変わり得る。この環境変化も結局は自己責任だととらえる必要がある。

■カウンセラーがアサーションを学ぶ意味
1.自分を知る
2.共感的理解を起こす
3.自己受容と他者受容が進む
4.権威に関する態度の変化
5.自己信頼・自尊感情の確立
6.責任を自覚する
7.多様性を受容する
8.感情を言葉にする
9.周囲の世界との関係のあり方が変化する
10.非言語コミュニケーションが意識できるようになる
 →言語コミュニケーションや考え方がアサーティブだが、非言語コミュニケーションがそうでないと相手に混乱や不理解を招き得る。

■学びや考察、感想
アサーションという理論、訓練法として今回は学習したが、

「自分も相手も大切にした自己表現」
「それを目指す態度をも含む生き方」
という定義で捉えた時に、つまり人格者を指すのでは?と感じた。

自他ともに尊重し、受け入れ、正直に生きていく。そしてそれをコミュニケーションを通して相手に伝える、感じてもらうと考えると…

スキル的にアサーションを学ぶだけだと当然に不十分であり、精神的・人格的成長がマスト条件だと思う。

余談になるが…
以前、とある上役に「表面上アサーション意識が強いが、心の根本や振る舞いが攻撃的表現で第三者をクズとかクソとか言ってしまう」という人がいた。

少しコミュニケーションするだけでやはり不信感や混乱に繋がったので、反面教師として心に留め、気をつけて行きたい。

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