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【お客様事例】リハビリをアソビに変える、デジタルリハビリツール「デジリハ」がコミュニティを導入した理由

2023年6月に設立され、コミュニティに特化した企業支援を行うJINEN。今回は、障害のあるお子さんに向けてリハビリツールを開発する株式会社デジリハの仲村 佳奈子さんに、なぜJINENとコミュニティを運営しようと考えたのか、コミュニティの効果、また今後の計画を伺いました。


障害を持つお子さんのニーズに応えるリハビリサービス「デジリハ」

― デジリハ社 (Digital Interactive Rehabilitation System) の事業概要と、仲村さんの自己紹介をお願いします。

株式会社デジリハは、デジタルアートとセンサーを併用した障害児者向けのデジタルリハビリツール「デジリハ」を開発し、約100社の医療機関やデイサービス、特別支援学校にご利用いただいています。「ゲーミフィケーション」と言われるゲーム感覚でできるアプリを介し、障害のあるお子さんが楽しく効果的にリハビリや療育に取り組めることを目指しています。現在 (2024年8月) 、私は取締役として営業や開発、コミュニティ運営を管轄しています。

― 仲村さんがコミュニティを導入した背景をお聞かせください。

障害のあるお子さんを療育、サポートする専門職や支援職の皆さんによって、デジリハの使い方やニーズが異なったためです。例えば、障害のあるお子さんの症状はさまざまで、人工呼吸器を付けている方や寝たきりの方、発達障害でグレーゾーンと言われる方などがいらっしゃいます。私たちが画一的に「この使い方が正解です」と伝えるよりも、ユーザーの皆さんが「うちではデジリハをこうやって使っている」とさまざまな情報を共有したり意見を交換をし合ったりするコミュニティを立ち上げる方がお役に立てられるのではないか、と。当初はユーザーの皆さんに向けて不定期で勉強会を開催していましたが、より体系的なカリキュラムとして運営する方法を模索していたところJINEN代表の藤田さんと知り合いました。

― 2023年5月当時、JINEN社とはどのようにコミュニティを作り始めましたか?

まず「どんなコミュニティにするのか」といった上流の設計をしました。これまで開催した勉強会に対する振り返りや課題、成功事例、目指すユーザーの姿を藤田さんにヒアリングしていただき「サポートする方々がオンボーディングをスムーズに終了できるためのコミュニティを作る」というゴールを立てました。次に、カリキュラムの内容や進め方、KPI、カリキュラム修了率やユーザー満足度といった細かい数字も設定していきました。

さらに、2023年10月からコミュニティを開始して12月までを「0期」、翌年4〜7月までを「1期」といった約9週間の短期集中型カリキュラムにしてノウハウや知識を習得しやすくしています。コミュニティには1期当たり20〜30人にご参加いただき、卒業したら「デジリハ・マイスター」という称号が得られる仕組みを作りました。

― 実際にコミュニティへ参加した皆さんからは、どのようなご反応がありますか?

デジリハを使いこなせるようになったことだけでなく、称号を介して労いを受けたことに喜んでくださっていますね。障害のあるお子さんと関わるお仕事では、事業の売上に直結することが少なく、障害のあるお子さんたちができることを1つずつ増やすために長期的な取り組みが必要で、専門職や支援職の皆さんは何かを達成して報酬を得る、評価される機会が少ないんですね。そんな背景から、私たちの想いを形にして届けたかったんです。

本格的なコミュニティ運営を始動。JINEN社の体系的提案が成功導く

― デジリハ社がコミュニティ運営者を募集していたところ、JINEN社の藤田がエントリーしたことが協業のきっかけだと伺っています。

さまざまなコミュニティマネージャーにエントリーしていただく中、藤田さんを選んだのは「私はこんなことをしてきた」ではなく「デジリハのコミュニティを成功させるために何をするべきか」を体系的に説明してくださったからです。どんな流れで、何ヶ月でここまでを目指すのか、どうやって進めていくのかが分かりやすかったですね。また、こちらが困って相談すると「大丈夫ですよ。こうするとできると思います」とご経験を踏まえて即答していただけて、心強かったんですよね。

― 仲村さんが新たにコミュニティを発足することに対し、社内からはどのようなご反応がありましたか?

初めて社長にプレゼンをした時は「まだ決まっていない部分があるようだが、無事に進められるのか」と心配されましたが、藤田さんと話し合って決めたコミュニティの目的や運営方法、効果を力説して納得してもらいました。現在では、新たなご参加者に毎期お越しいただくこのサイクルを楽しみにしてくれています。

― カリキュラムに対して、どのような評価を受けていらっしゃいますか?

参加していただいた皆さんからは「基礎から応用までを網羅的に学べた」「対応力を付けて親御さんから喜んでいただいた」とポジティブなフィードバックを頂いています。また、私たちは基本的な操作方法や「このセンサーは何を拾ってどのように動くのか」をお伝えしていますが「こういうお子さんにはこのように使いましょう」とは言わず、グループワークで「自分だったらどうするか」を考えていただいています。つまり、教え合うのはユーザーの皆さん。そのおかげで「こういう使い方しかできないと思っていたが、参加している方から別のやり方を教わった。さっそく試してみよう」「他の方の成功・失敗事例を知って、今までの使い方を見直す機会になった」とツールの幅広さや可能性を実感していただいています。

― コミュニティを盛り上げるために、どのような工夫をしていらっしゃいますか?

「自分だったらこうするかも」とご参加者とは異なる視点を投げかける「コンシェルジュ」という先輩ユーザーを配置しています。前期を卒業した数名にコンシュルジュとして参加していただき「受講する側」から「伝える側」へブリッジをかけつつ、コミュニティにスパイスを加えるようにしています。先輩ユーザーの皆さんにとっても、さまざまな方のご意見やお悩みを聞くことで、これまで考えたことのなかったアイデアが湧いてくると価値を感じていただいています。

短期集中型コミュニティの継続進化と、新規立ち上げを目指す

― コミュニティを運営することで、想定していなかった収穫はありましたか?

参加者の皆さんがこれほどまでに熱心に参加してくださるとは思っていませんでした。当初は皆さんがカリキュラムに付いていけるのか、また、やる気を持って最後まで取り組んでくださるのかが半信半疑でしたが、お仕事で多忙な中でも19時から積極的に参加してくださいました。宿題に懸命に取り組み、ご自分なりのアイデアを持ち寄り、現場でクリエイティブなトライアンドエラーをしてくださり、私たち自身もデジリハの新たな使い方を学ぶ貴重なコミュニティになりました。

― 今後、短期集中型コミュニティをどのように進化させたいでしょうか。

藤田さんとどんなコンテンツを追加するのかを念入りにブラッシュアップしても特段の無駄や不足が見当たらなかったため、当分はこのスタイルを継続していきます。アプリの機能がアップデートされたら柔軟に変化させつつ、皆さんがデジリハを使うことは当たり前という状態を醸成していきたいです。また、各期の卒業生に向けて「受け皿」も設計しています。カリキュラムが修了すると皆さん同士でなかなか会えなくなってしまうため、長期的に繋がっていられる環境づくりを考えています。

― 最後に、コミュニティを推進する方やカスタマーサクセスのご担当者にメッセージをお願いします。

最初、デジリハではカスタマーサクセスのメンバーだけでコミュニティ運営を試みましたが、アプリ上の技術的なアドバイスができるカスタマーサクセスの人材と、ユーザー対応もできるコミュニティ運営に特化した人材が必要だと実感しました。

そんな折に、藤田さんに参画していただいたことで、具体的なコミュニティ運営方法や私たちの実現したいことが細分化され、想像以上に効果的な運営ができるようになりました。「ユーザーの集まる現場も回れて、技術的な指導もできる人」というオールマイティな人材を探すよりも、藤田さんと丁寧にTODOをブレークダウンしていったおかげで、ぼんやりしていたカスタマーサクセスやコミュニティ像から「何をしたいのか」「何を達成したいのか」が浮き彫りになり、アクションや成果に繋げられました。今後も、藤田さんと二人三脚でコミュニティを盛り上げてユーザーの皆さんのお役に立ちたいと考えています。

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