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サウンドスケープマップ解答&解説編

※この記事はサウンドスケープマップのクイズの解答&解説編です。先に「「ファブラボみなとみらい展」出展のお知らせ」の記事に目を通していただけますと幸いです。

 みなさん、こんにちは!神奈川大学民俗学研究会です。

 9月14日(土)から9月28日(土)の期間に神奈川大学みなとみらいキャンパス1階にて開催されている「ファブラボみなとみらい展」の研究会の作品はご覧いただけましたでしょうか?今回はクイズの解答&解説編です!みなさんの思い浮かべた地点は正解でしょうか?ぜひここで答え合わせをしてみてください!


 まず、★の地点は以下の写真の通りです。

 次に、波形と地名は赤線のように結びつけることができます。


 正解だった波形と地名はありましたか?

 今回は、神奈川大学の両キャンパス、および、本研究会の共同研究のフィールドであった六角橋商店街、そして横浜の歴史を語る上で欠かすことのできない港周辺を音採集の地点に選びました。実際に音採りをした際には、なるべく4ヶ所の地形が特徴的なものになるように留意しましたが、この点はあえて意識せずとも地域ならではの音が自然と聞こえ、それらは波形にも表れてきました。

 まず、横浜キャンパスの音は〈蝉の鳴き声〉です。夏は横浜キャンパスの至る所から蝉の鳴き声がこだまします。こうした音の風景は、再開発地区のオフィス街に新しく建設されたみなとみらいキャンパスとは異なるものです。

 では、横浜キャンパスのように自然に囲まれていないみなとみらいキャンパスの音はどのように表現するべきか。この点は今回の作品制作において最も悩んだ部分ですが、新しいキャンパス特有の音として捉えられる〈21階まであがるエレベーターの音〉を採集しました。エレベーターの開閉時に流れるアナウンスは、みなとみらいキャンパスならではの音です。〈蝉の鳴き声〉と〈21階まであがるエレベーターの音〉が、両キャンパスの「音の風景」の違いをみせる一つの要素となりました。

 次に、六角橋商店街においては〈店主さんとお客さんの親しげな会話〉を波形に表しました。六角橋商店街には、お店の作業の音、シャッターの上げ下げの音、商店街内のBGM、歩行者の足音など様々な音が広がっていますが、共同研究では店主さんとお客さんの親しげな会話が六角橋商店街のひとつの魅力であることを考察したため、共同研究との繋がりを示すためにもあえて〈会話の音〉を選びました。

 最後は大さん橋における〈観光船の汽笛の音〉です。実は、この音は狙って採集しています。横浜という地域において、「港」「船」の要素は地域の形成・発展過程を語る際に欠かせないものです。観光地として栄えている現在の横浜の港周辺、そして大さん橋周辺に響く観光船などの汽笛の音は、その地域に必要不可欠な音として、まるで時報のようにこだましてます。このような特徴的な汽笛の音は、急に振り幅が大きくなる波形として表すことができました。

 以上、サウンドスケープクイズの解答&解説編でした。今回の作品を通じて、地域ならではの音があること、そして音は視覚的な形として表現できることを少しでも実感していただけましたでしょうか?今年度は「サウンドスケープ×地図」という作品に至りましたが、実は制作過程では様々な意見があがり、中には知識不足から断念してしまった企画もたくさんあります。今後はそうした企画を改めて再考し、さらに「歴史民俗×デジタルファブリケーション」を体現できるような活動を行なっていければと思います。


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