荷物を捨てて物を買う
引っ越しに伴ってある程度の荷物は不要と判断して捨てた。そのつもりになっていた。
それでも引越し日が近づくにつれてダンボールは増え、床と空間を圧迫し、「本当にこれが全て必要なものなのか?」と思わざるを得なかった。
新居について、最低限必要なものの荷ほどきを終えた。
それでもまだうず高く積まれたダンボールと、中に眠っているであろう"必要だと思われていたもの"が開封される瞬間を待ち望んでいる。
仕事が始まり、新しい生活が始まる。日々の暮らしに追われている中では積まれたダンボールを開ける気にはならない。
「荷物を開けて片付ける」というタスクと、部屋の床面積の何割かと、空間の圧迫感を僕に押し付けたまま、今もダンボールはそこに鎮座している。
ここまで使わない物なのだからまとめて捨てられればよいのだろうし、それを断捨離と呼ぶのだろう。が、別の何かがそれを拒む。
僕の情は人よりも物に移りやすいのかもしれない。
今日も荷物に囲まれながら、新しい物を買う。物に囲まれながら、新しい物を作る。そういう暮らし。
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