ハムレットQ1
シェイクスピア作
ハムレットQ1
安西徹雄訳
2024年2作の舞台が話題になった。
「彩の国シェイクスピア・シリーズ ハムレット」
「ハムレットQ1」
どちらもシェイクスピア作の世界的に有名な作品。いわゆる4大悲劇の1作で、名優ローレンス・オリビエの映画でも知られる。
「生きるべきか死ぬべきかそれが問題だ!」
の名セリフを聞いたことがある人は多いだろう。
私は残念ながらまだ実際の舞台で観たことはない。
原作はかなり昔に読んでなかなか父王の復讐を遂げないハムレットにイライラした記憶がある(何しろ18歳の時に読みましたからね)
下関市民劇場では私が会員になる前に例会でお迎えしており、次にいつ来るかは今のところ未定。
彩の国のハムレットは北九州に来たので観に行くべきだったかもしれないが、なかなかのお値段だったので断念。
ところでもう一つの方のハムレット。
ハムレットQ1とある。
正直初めて聞いたこの作品名。
慌てて検索するとなんと光文社古典新訳文庫に収録されており、しかも入手出来る!これは買わねば是非読まねばといつもの書店で早速注文。
届いた本を手にしてびっくり。
薄い‥‥。短い。ハムレットはそれなりの長さがあるはずなのにこれは一体。
巻末の解説によるとハムレットには3種類のテクストがあるとのこと。
Q1:最初に出版。1603年。本文全体の行数は2154行。
Q2:1604~05年に出版。全体の行数3674行。
F:1623年出版。最初のシェイクスピア全集に収められた
もの。全体は3535行。Q2から222行カットし、83行つけ加えたもの。
つまりこのQ1が一番最初に出て一番短いテクストということになる。読んでいくと確かにかつて読んだハムレットよりも早く重要な場面がやってくる。短いから非常にわかりやすく舞台に集中して観ることが出来そう。通常のハムレットはどうしても長さがあるので上演時間がかなりかかる問題がある。その点Q1はその心配がなくかつ理解しやすくなっているのが読んでわかった。
どちらがいいとかそういうことではないから、むしろこういうQ1という別テクストが存在したということ、それそれで魅力ある本だということを知れたことが、この本を読んでの最大の収穫だったと思う。
普通のハムレット(いわゆるF)も今度購入して読み比べてみようと思う。
ちなみに今回のハムレットQ1、ハムレットを吉田羊さんが演じ、クローディアスを吉田栄作さんが演じていた。W吉田として取り上げられていたがハムレットを女性が演じるということでも話題になったことを追記しておく。