海外ミステリー本感想13「自由研究には向かない殺人」
ホリー・ジャクソン著
自由研究には向かない殺人
東京創元社
いつも行く書店の東京創元社のコーナーに常に並んでいたこの本。興味はずっとあったもののなぜかまだあらすじを読むことも購入することもしていなかった。
月に3回のポイント3倍の日に、早川書房の本と東京創元社の本を必ず1冊は買うことと自分で決めてずっと実行してきているが、10月15日にこの本をようやく購入した。
間違いなくまだ購入していない本だとわかるのがこの本だったということだが、実際に今回読んでみてなぜ今まで読んでいなかったのかと猛反省している。
帯に書いてある間違いなく面白いというのは正しい。
私に読書に集中する時間が今月もっと作れていたらもう少し早くこの感想を書けたはず。いずれにしても時間を作れない自分がすべて悪い。
もう次の2冊目を購入したいと思うほどこのシリーズにはまっている。これは少し前のワニ町シリーズと同じ傾向。
うーん、東京創元社が出版する海外ミステリーにはずれがないということを改めて証明することになっているなあ。
巻末を見てみると
2021年8月27日 初版
2024年5月17日 20版
とある。他の本と比べてはないがこれはすごいペースで重版がされているのではないか。
東京創元社が力を入れて売り込んでいるのもあるだろうが、それ以上にこの作品が優れている証拠がこの数字なのだろう。
読み始めてすぐに「ああこういう小説が読みたかったんだ」という感想を持った。ミステリー小説もあらゆるものがすでに書き尽くされた感がないこともないが、この作品は新しいところへ踏み込んだ画期的な作品と言える。
失踪した17歳の少女も犯人とされた少年も共に、ピップが調べていくと今までわからなかった姿が浮かび上がってくる。そのことが少年が犯人ではないという視点で自由研究に取り組んでいるピップにさらに力を与える。
失踪した少女は実は生きているのかそれともやはり‥‥。
では少年が犯人ではなければ誰が真犯人なのか。
そして実際には何があの時起こっていたのか。
丹念な地道な自由研究という名の捜査は最終的に‥‥。
読み応え十分な本当に面白いいい作品だった。
私は1年間で読んだ本を振り返ることは例年していないが(ミステリーばっかり読むとか偏った読書をしないから振り返れない)この本は今年読んだ海外ミステリーで自分の中では1位にしたいと思う(今年残りにさらに別の作品が入れ替わるかもしれないが、それはそれで嬉しいこと!)
もし誰かに何か面白いミステリーないですかと聞かれたら間違いなくこの作品を薦める。
それぐらい私は感銘を受けた。
必ずしも名探偵が事件を解決しなければいけないわけではないということを改めて気付かされた。
まだまだ珠玉の作品に出合えるようにいろいろな本を手にしていきたい。
良書を積読する習慣が必要だと思う。