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私の彼は優しすぎる。10-意識。

次の日。

出勤すると間もなく女性社員何人かがわらわらと寄ってきた。

「おはようございます」

「カミチさん、昨日向かいのカフェにいた?」

「はい」

「一緒にいたのは彼氏さん?」

入社間もなくまだ人間関係が十分に構築できていないのにこういう質問はセクハラかもしれない。

「はい、そうですけど・・・」

女性が一斉にため息をついた。

「めちゃくちゃかっこよくない?」

「超イケメン」

先輩方はうっとりとしている人もいれば怒ったような悲しいような表情をしている人もいた

「どこで知り合ったの?」

質問は止まらない。

「地元の高校の同級生で・・・」

同級生!といちいちどよめく。

「いいな~」

「いいな~」

彼の存在は、その一言に集約されたみたいだった。

私は唖然としていた。

私はバカなのかもしれない。

彼がイケメンになったことにずっと気づかなかった。

本当に、彼女たちに騒がれるまで、

彼を優しいけど普通の地味な人と思い込んでいた。

この日を境に私の周りは少し騒がしくなり

彼が「かっこいい」と否が応でも

意識するようになった。



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