私の彼は優しすぎる。11-嫉妬。
女性の目は怖かった。
「いいな~」という言葉に集約される嫉妬。
そこには
「なんであんたが」
という大きなクエスチョンマークがあって
幸せだった私は
『不釣り合いな彼女』
という十字架を背負うことになってしまった。
私が
そうなんです、自慢の彼なんです、と言えるタイプならよかったのかもしれない。
確かに彼は私の誇りだけど
彼の虫も殺さないような柔和な表情が好きだけど
イケメンだから好きになったんじゃないのに。
その場にいなかった人にも言われた。
「カミチさんの彼氏ってかっこいいらしいね」
「高校生の時はそうでもなかったんです」
精一杯の抵抗だった。
「へー!そうなんだ。見る目あるのね」
彼がイケメンだろうとそうじゃなかろうと
私にはどうでもいいことで
私が彼を好きであることに
何も影響がないのに
まるで宝くじにでも当たったかのように
「いいな~」
「いいな~」
と異口同音に言われて
嫉妬されて
怖い目で睨まれて
「どうしてこの娘が?」
と誰も私には言わないけど
強い気持ちが
漫画の吹き出しのように視えた。
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