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私の彼は優しすぎる。31-香水。

彼は合コンに行くことは報告してくれたけど

それがいつなのかは特に言わなかった。

でもある日帰宅して

匂いでそうかなと思った。

「どうだった、合コン」

こういうのを『鎌をかける』と言うのかな。

「うん。何で分かったの」

彼は目をぱちくりさせた。

「香水」

「はは、浮気できないねー」

浮気できる人のが気楽かも。

この人は融通が利かないから本気になるだろう。

「うん、香水の・・・匂いがしんどかった。

服に移らないかと思ったけどやっぱ移ったんだね」

彼はため息をついた。

「8000円だよ。一次会で。二次会は逃げてきた」

きっと脳内で何回カフェに行けたかをカウントしている。

「洗濯するよ」

「ありがと」

「モテた?」

「そりゃもう」

彼はくくっと笑った。私もつられて笑ったけど・・・

「どうすればいいんだろうね、このLINEグループ」

「知らないし」

「無視するしかない」

「マツイくんの好きにしていいよ」

「返事がないのが返事・・・」

この人は本当に無駄な労力は避ける人だ

相手のためでもあるけど自分のためでもある

優しいけど優柔不断ではない

優しい横顔は時に冷たく見える





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