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大人だからこそ大切にしたい、子どもの心の魔法
紀里谷和明さんの「地平線を追いかけて満員電車を降りてみた」を再読しました。
とある劇場の支配人と、複数の登場人物が対話を通して真理を探っていくんですが、その対話から気付かされることがすごく多かったです。
kindle unlimitedに登録している方は、対象になっているので、ぜひとも読んでみてください。めちゃくちゃおすすめなので!
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物語の中で、「子どもの心」と「大人の心」という話がでてきます。
人の心は、「子どもの心」と「大人の心」という2つからできていて、子どもの心というのは感情に根ざした存在であり、大人の心というのは論理や計算をするものです。
劇場の支配人曰く、悩みというのは大抵この2つの心の意見が食い違うことから生じているとのことでした。
たとえば、絵を描きたい、というのが子どもの心の声としてあって、大人の心は「描いた絵をよりたくさんの人に届けるにはどうすればいいか?」とか「より幅広い表現を身につけるにはどうすればいいか?」のように利用するのが本来の使い方なんだけど、
ほとんどの場合、「いやでも絵を描いて食べていくのは難しいしな」とか「アルバイトしながら絵ばかり描いてても世間体がよくないしな」みたいな子どもの心を押し殺すような使い方になっている、みたいな感じですね。
このように子どもの心と大人の心が食い違っていると「悩み」になり、さらにこれが習慣化されてしまうとどんどん心が蝕まれてしまいます。
「世界を旅していろんな文化に触れてみたいけど、仕事しないとお金がなくなっちゃうから仕事を優先しなきゃ・・・」
「収入も容姿も性格も条件だけみたらこんないい人この先絶対見つからないから結婚するならこの辺で・・・」
「人間性にはすごい疑問を感じるけど、社長さんだから仲良くしといたほうが・・・」
大人の心の声を誤用し、優先し続けてしまうと、そのうち子どもの心の声が聞こえなくなってしまいます。
大人になるほど子どもの心の声を無視してしまいがちな気がしますが、子どもの心の声にちゃんと耳を傾けないと、死ぬときにたぶん、「もっとやりたいことをやっておけばよかった」なんて後悔につながってしまいそうです。
そんな人生を過ごすのはちょっと寂しいじゃないですか…。
ではどうするかなんですが、「”やってみたいと思ってしまったこと”は実際にやってみる」というのがいいみたいです。
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必要なものはすべて与えられる荒野に立っているとします。
なにもしなくてもいい、会社にも行かなくていい。食べることも考えなくていいし、夢もなくていい。焦りもコンプレックスもない。人からバカにされることもない。お金だって全部与えられる。
そんな荒野に立ったとき、「こんなことをしたいと思ってしまったこと」が子どもの心の声です。その声に耳を傾け、実際にやってみることで、「好き」「嫌い」の感度を高めていくことができます。
「思っただけ」と「そう思って動いて確かめてみた」の間には、その理解度に何倍もの開きがあるため、行動まで結びつけることが大切、とありました。本当にやりたいことなのかどうかはやってみないとわからないんですよね。
子供の頃にハマった竹馬なんて、やってみたいとすら思っていなかったけど、やり出したら激ハマりして、しばらくの間、昼休みはずっと竹馬に乗ってた、なんてこともあったぐらいです。
で、「思ってしまったこと」という表現が個人的にすごくいいなーと思っていまして・・・
多くの場合、まず「子どもの心」の声が聞こえてきて、その後に「大人の心」の声が聞こえてくる、というのが傾向としてあると思います。
「絵を描いていきたい」でも「絵を描いて食べていける人なんてほんの一握りだから自分には無理」のように、後から聞こえてきた大人の心の声は、子どもの心の声を押し殺しがちです。
ただ、「思ってしまったことはやる」と決めておくと、大人の心の声を強制的に無視できます。子どもの心の声を優先できるわけです。やると決めてからなら大人の心の声をうまく役立てることができちゃうんですね。
富士山を登ってみたいと思ってしまった。思ってしまったなら登るしかない。どんな道具や計画が必要か、お金はいくらぐらいあればいいのか、大人の心の声を使って考える、みたいな感じですかね。
ここのところ「思ってしまった」で終わってしまい、大人の心の声を優先することが多くなっているので、今この瞬間から、「思ってしまったことはやる」というのを大事にしていきます。
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#最後に
最近、Instagramでこんな動画が流れてきて、なんだか泣きそうになりました。
「死と向かい合う」っていうのも、子どもの心の声を聴くためのよいアプローチになりそうです。
大切な人を抱きしめたり、笑顔にすることに時間を使うっていうのがすごく大事だと思う一方で、世間体を気にして仕事を優先しがちな今の自分。
いい悪いはわからないけれど、このままだと心が蝕まれてしまいそうなので、自分の中にある子どもの心の声、大人の心の声にちゃんと耳を澄ませたいなぁと思いました。