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5年間の避難行動から知った慎重すぎるぐらいでちょうどいい災害まえの判断と行動


はじめに

 親子ともどもおそらく臆病なほうだと自覚する。それもあって行政から危険だよと指摘される以前に自らの判断で家からはやめに避難する。避難所が開設されてもたよらずにホテルを予約してそこで2日間ほどようすをみる。高齢の両親といっしょのほうがこちらも安心。

年に2,3回そんな機会がおとずれる。ことしもすでに2回。ここ5年連続。けっこうな出費だがいたしかたない。なにごともなかった、無事だったと思えば不要な費用とは思えない。

きょうはそんな話。

ホテル避難

 このところ地元のホテルにくわしくなれた。ふだんなら泊まることはない。さまざまに気をつかう行政の開設する避難所よりも高齢の両親には安心してすごせる場所としてホテルのほうがふさわしいと判断。脳や心臓の血管に病を抱える父の状況からして、きゅうくつな姿勢しかほぼとれない避難所暮らしはむずかしい。

それもあって5年ほど前から年に数回こうした避難をつづけている。なるべくホテルの方々への迷惑を考えて災害のリスクのすくない家から50キロ以上遠く離れた地域を選ぶことすらある。

避難の判断のむずかしさ

 たいてい自主的な判断にもとづいて「高齢者等避難」の発令を待たずに避難を開始する。両親はめいっぱい避難の準備に時間がかかる。そこで避難が必要かどうかの判断を進めつつある状況を伝えつつ、日ごろから避難時に手持ちの荷物となるものの準備や確認をやっておくように伝える。

ひんぱんに天気の現況を気象庁などの情報をもとに把握し、さきにこちらで状況を想定していつごろ避難を開始すべきか2,3日間のスパンでつねに案をかえていく。土石流、土砂崩れ、洪水のみつどもえで心配なここではもっぱら想定積算雨量をもとに避難の時刻を予測する。これがなかなかむずかしい。ホテルの予約がからむから。

何度か天気の急変によりキャンセル料を支払ったうえに、べつの宿を予約しなければならないといったことも。

慣れていない場所で

 予想される線状降水帯や台風の進路からなるべくはなれた避難先をきめる。両親が日ごろとちがう慣れていない場所でもなるべく余計な心配とならないような配慮の行き届いたそこそこ以上のホテルをえらぶ。

できるだけ体調の急変などにそなえて街中の病院からさほど遠くない場所のホテルが理想的。そこで連泊するので、事前の食料の入手できる店の有無や道路の状況など最低限の情報をつかんでおく。

判断がつねにもとめられる

 どう行動したらいいかはつねに安全第一。けっして無理なものにならないように(この場合は両親の行動力や体力を第一に)するのが肝心。迅速なうごきのできない老いた両親にはそれはなかなかむずかしい。人数分の命をあずかるきもちで判断していく。

「先発隊」としてわたしは昨年すでに「危険」と行政によりめじるしをつけられた家をはなれた。息子もそろそろこの家をあとにする。そうなるとここに住人はいなくなる。

この家でいのちをうしなう心配についてはもはや必要なくなる。あとはもともと危険なエリアに住んでいない両親といっしょにより安全な場所へ退避できればいい。わが家を抜け殻にするだけでも気持ちとしてかなりちがう。

おわりに

 5年のあいだホテル避難をくりかえすとなにが必要でどう行動すべきかすこしわかってきた。相手は自然。このところ予想をたいてい超えてくる。したがってこちらの予想もさらにしきい値をひろげて考えねばならない。

ひと月半まえの避難時のホテルにはそういう境遇と思われる高齢者および付き添いとおぼしきおおぜいの方々が手荷物とともにホテルのロビーにあふれるほど。ここの選択をしたヒトビトが多かったと知る。選択はまちがいなさそう。

こればかりは自分たちのことなので、どう判断し行動するかはすべて自己責任。ああすればよかったがないように万全をめざしてつづけるつもり。


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