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遭遇するたびにおもう 家族でのホテル避難の段どりのむずかしさ、行動のたいへんさ

はじめに

 今回の台風で、土石流やがけくずれのリスクが高いと自治体から指定を受けているわが家では安全を確保するのがむずかしく、両親をふくめた家族でホテルに避難した。もちろん自費で3年連続4回目。

日ごろ準備していた非常用の食料のほかに、予約したホテルのプランに朝食がついていたので、高齢の両親には横になれるベッドとともに運よくバイキングの食事を何度か利用させてもらえた。

そこにいたるまでの行動についてのふりかえり。この身を守る必要かつやむ負えない避難行動の難しさをいくつか体験上感じている。

避難をきめる

 地元への台風接近時での日時で行動をしるした。なお、プライバシー保護の観点から家族数や地域はあえて不明確のままの記述になる点はご容赦願いたい。

今回の台風14号のつよさははんぱでない。ここ数年にわたり避難をくりかえすわが家にとって、まちがいなく避難の必要なレベル。

ごく近所に住まう両親は、手をいれているとはいえ築90年のすみかをはなれたがらない。避難所ではおたがいに気をつかい健康の問題をかかえる。一度避難所を利用させてもらえたが、つぎの機会ではむずかしいと理解した。

早速、直撃まちがいないとされるタイミングで避難を決定。安全だろうとされるエリアの、しかも強固な建物と考えられるホテルへ避難しようと1週間前からうごきはじめた。

さがしはじめる

 手もちの非常用食料ばかりの3食では両親がもたないと思い、朝食つきの2泊3日の連泊できる宿をさがしなおした。台風の接近時間しだいで1泊で対応できたこともあるが、今回は移動時間や大型のためはやめに避難するつもりで2泊を希望。結果的には2泊でもギリギリで、とちゅうで3泊目すら検討したほど。

1週間前にはじゅうぶんにあいていた何か所かの候補が、いざ本格的にさがしはじめたタイミングではつぎつぎに埋まっていく。躊躇するうちにそれ以降なかなかみつからず、何百キロもはなれた予報円の外縁になりそうな地域まで新幹線をつかい移動する方法まで検討するはめに。

そこまでの移動手段や時間をふくめるとさらにふくざつに。ふたりで5時間がかりで深夜までさがす。たまたまキャンセルで出てきたタイミングで高速道路をつかい移動できる範囲にようやくみつけ予約できた。

のちでわかったことだが、あるホテルにはキャンセル待ちでフロントの前に、避難したい方が夜までならんでいらっしゃるニュースがながれていた。

予約できて両親の2晩の寝場所の心配はなくなった。わが家のほうは避難した先で車中泊でもかまわないと考えていたが、どうにか両親とおなじ宿をとれた。

避難の行動

 早速、車で移動した。移動の後半にはとうとう雨が降りはじめた。しかもかなりはげしく。どうもわが家は結果的にいつも行動がぎりぎりになってしまう。高齢者といっしょなので、はやくはじめているのだが、結果的に一般の方よりもあとになってしまう。

やむなくスーパーに寄るなどしているあいだに、はげしい雨が降ったりやんだりをくりかえしはじめた。そのたびにシャツはぬれる。ここで2泊3日のあいだに日もちする昼と夕食の食料をいろいろと買いそろえた。ここ3年ほどホテル避難をくりかえすうちに、なにが最低限必要かわかってきた。

水をふくめた食料と風雨を避けられる疲れない寝どこ。

ホテルのへやにはいると1日のつかれがどっと出た。前日遅くまで宿さがし。避難の準備、両親に連絡、両親を連れて車での移動、食料の買いたしとつづいた。

ホテルに入るやいなや予想進路と速度から考えると、2泊3日でなんとかなりそうという結論に。

ふりかえると

 これでも結果的にはすべてギリギリ。「はやめの避難を」とよくアナウンスされているが、はやめに準備をはじめても段どりどおりにものごとはすすまない。それがふつうにおこる。結局、ふりかえってみるとぎりぎりで災害にまきこまれなかったのは運がよいだけ。

実際に、数時間後には移動につかった高速道路は閉鎖された。もう一度書くが、はやく準備をはじめたはずなのに高齢者の両親との車でのいっしょの避難となると結果的にぎりぎりになってしまった。

しかもホテルに2泊3日滞在したあとにも心配なことがつづいた。避難で出た家が心配。国道、高速道ともに閉鎖中。迂回路の山道は渋滞情報では大渋滞とある。何時間かかるかわからない。その状態でも居場所がないし、腹もへってくるので帰りの移動をはじめた。

ホテルをチェックアウト時間ぎりぎりで出たが外はまだ風雨がつづいていた。おそらく夜どおしで復旧作業をしてくださっていたのだろう。チェックアウトして移動をはじめた15分前に国道が開通したばかりだった。運がよかった。

おわりに

 どうやら開通したばかりで渋滞にまきこまれる前に通り抜けられたらしい。日常とほぼかわらない時間で難所を通り抜けられた。関係者のみなさまに感謝のことばを惜しまない。

ぎりぎりまで昼間の居場所をみつけ、もう一泊ぶん、べつの宿をちかくで探すべきか検討したほど。ほんとうになにもかも運次第。

行動の先をなるべく読んで動こうとしてはいるのだが、実際にほしい情報はなかなか手にはいるものではない。どの部署のかたがたもせいいっぱいでこの状況。したがって無理にうごかないでいるのがこちらも精いっぱいの協力。

帰り着いたわが家と両親の家。いずれもなんとかもとのすがたをとどめていた。ほっとした。

避難先となったホテルには台風のさなか快適な寝床、食事を提供してくださり感謝を申し上げたい。

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