自然とつながる、いま立っている場所で。
イノシシを丸々一頭捌いた。
コロナという限られた制約の中でも、
地元で『自然とつながる旅』
が、できるのだと鳥肌が立つようにハッとした。
猟師の鶴崎さんから、罠にオスの猪がかかったと連絡が入る。
うちから1時間一気に車で到着すると、すでに止め刺しと血抜きが終わっていた。
魂は無事に帰れただろうか。
息をゆっくりと吸い、目を瞑る。
淡々と捌いた。最初は2人であとは1人で。
ついつい感情が動きそうになる。。
何も考えないことで心を落ち着つかせ手元に集中する。生命を頂く大切さがしみてくる。
まだイノシシを捌くことに慣れていない分、細かい包丁の入れ方かに迷いがあり無駄な切り口が多くなる。
肉の筋を読み切るまでにはもう少し学びが必要だな。
とにかく、3時間があっという間だった。
猪の肉はスーパーに並ぶ鶏、豚、牛の肉とは全く別物だ。
北海道の猟師のミキオが言っていた言葉が忘れられない。
野生動物の肉にはしっかりとメッセージがあると。
自然の中で生き抜くために、
命を磨き、
戦い、
守り、
育み、
生き抜く。
そんな命をいただけることは、
「自然とつながる感覚」にダイレクトに響く。
頭ではなく、同化するように肉体の中に吸収される。
そうだったか!
別に外国まで行かなくってもここ長崎でも十分自然とつながる感覚を学べるのだ。
移動せず、多くの人と会わなくても旅も、学びもここにある。
時間がある今こそ、野草やキノコの採り方を学ぼう。
魚や野生動物を獲っていこう。
野外で1人眠ろう。
そしてその学びを伝えていこう。
小さく集まれるワークショップでも、
オンラインでもいいじゃないか。
動ける範囲の身近な旅を通して、
自然とつながる感覚を紡むぐ喜びがあふれた。