片付けに困らない家を日本中に増やしたい!|住宅収納スペシャリスト川島マリ
はじめまして。住宅収納スペシャリストの川島マリと申します。整理収納・片付けのプロとして活動をしています。なかでも、「住宅」の「収納」はどうあるべきなのかということを住まい手とつくり手にお伝えすることを得意としています。
家は長い人生を過ごす、とっておきの場所です。
子育てから介護まで生活スタイルが変わることで想定できる収納や部屋の使い方について、私の人生経験を生かした収納アドバイスをしています。
心地よく過ごすための収納とモノのバランスについて
このnoteでは引き出しなどの整理方法やグッズ紹介ではなく、家づくりやリフォームの時に考えたい「毎日をはれやかな気持ちで暮らせる収納」をつくるコツや、考え方やその理由など、収納を絡めて気持ちよく暮らし続けるヒントを書いていきたいと思います。
例えば…
朝起きたとき最初に目にする部屋の中を想像してみてください。
朝日のあたるスッキリとした空間と、
ごちゃごちゃとモノに囲まれた埃っぽい空間。
どちらの部屋の目覚めが、より"はれやか"な気持ちで一日をスタートできるでしょう。
多くの方が、スッキリとした空間を選ぶと思いますが、この2部屋の違いは、モノが収納場所に全て収まっているか、出たままになっているかの違いです。同じ家、同じ人でも、朝からのやる気も変わってきますよね。
長く暮らす場所であればあるほど、そこに暮らす人にとって使いやすいと思える収納が必要です。
私は子どもの頃から部屋の片付けやDIYが好きでした。結婚し、20年前に建てた自宅はデザインや間取りなどにはとりたてて特徴もない普通の家ですが、収納と家事動線のよさはとても気に入っています。
家を建てて10年後に収納コンサルティングの仕事をはじめ、お客様の家に足を踏み入れるたび、こだわって建てたはずの素敵な家が片付いていない状態を見て「なぜ…」と疑問に思いました。
片付けられない理由として、片付けが苦手という性格的な問題もありますが、片付けにくい間取りや動線などの建物の問題が大きいからです。誰もが「収納はできるだけ大きくしたい」と考えるので、リフォームや建て替えの際に収納のスペースを増やしがちですが、スペースを増やすだけでは、どれだけ広いスペースがあったとしてもたちまちモノがあふれ、いくら片付けてもリバウンドしてしまうという不思議な現象が起こります。私が「住宅」と「収納」について考え始めたのはこれがきっかけでした。
家づくりは、予算、性能、設備と決めることが多いため、収納は自分から詳細に希望を伝えないと標準的な仕様になりがちです。ちょっとしたこと、たとえば棚板の奥行きが変わるだけで使いやすさ、収納のしやすさは全く変わります。また、人によって行動パターンがあるので生活動線も違います。家をつくる際、早い段階から設計側へ要望を伝えることが大切なのです。
使い勝手のいい収納は、つくり手(建てる側)と住まい手(住む側)が一緒に考えて設計していかなければ完成しません。家づくりやリフォームをしようと決めたら、まずは現時点での自宅を基準に、モノと収納について考えることから始めてみましょう。
簡単にご自身でできることを少しずつ紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。片付けのプロとしての知識と私の家を建てた時の経験から、お役に立てたらと思います。
最近はモノが少ないほうがいいと無理に断捨離をされる方もいますが、モノを生かす収納を考えることも、自分らしく暮らす家づくりの楽しみです。
何年経ってもずっと快適に暮らせる『わが家らしい収納』のある家を完成させましょう。
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