家づくりの基礎知識07 メンテナンスが家の寿命を左右する
家づくりにあたり知っておきたい「基礎知識」。
ポイントをわかりやすく体系立て、シリーズでお伝えしていきます。
家づくりの基礎知識07 メンテナンスがしやすい家づくり
*メンテナンスのポイント*
1. 家を長持ちさせるなら雨漏りと結露は要注意!!
念願のマイホーム。
完成がゴールではなく、使い続けていく、そこからがスタートです。
お気に入りの状態を長くいつまでも保つために、メンテナンスのしやすさも家をつくるときに考えたい重要ポイントです。
木造住宅で怖いのはシロアリ被害や腐朽。
シロアリ対策は信頼できる業者の点検がベストですが、腐朽に関しては床下からの湿気や雨漏り対策が大事。ベタ基礎にすることで床下からの湿気対策ができます。
住み続けるうちに雨漏りが発生すると構造に影響が及ぶので、
・屋根や軒先はあまり浅くしない
・外壁やバルコニーに雨水がなるべく直接当たらないようにする
・壁や屋根のつなぎ目を劣化しにくくする
など、建てるときに配慮するだけで、長持ちする家になります。
また家と住む人の健康のためにも結露は大敵。
よくあるのが窓枠の下部におきる結露ですが、高断熱住宅ではない場合、見えない部分の壁内で結露が起きてしまうことも。断熱材や建材にカビが生え、住む人の健康や建物の耐久性に問題がでてしまいます。
結露を起こさないため、「窓」を2重ガラス+樹脂サッシにするなど高性能なものを設置するだけで、不快だった窓ふき・カビから解放され、健康な暮らしが可能。
※参考書籍『あたらしい家づくりの教科書』chapter1 から よい家は「窓」が決め手
2. 10年に1回はメンテナンスを
家をいつまでも状態よく保つために、10年に1回はプロの目で検査することをお勧めします。
雨漏りの心配は現状無くても、屋根と外装、サイディングなど、つなぎ目(シーリング)の補修の必要性と、ベランダの防水具合も合わせて検査したいところです。
ほかに給湯器やキッチン機器、冷暖房などあらゆる設備も安心・安全に使えるよう確認を。
3. あとにも先にもメンテナンスのしやすさ
どんなに高性能な建材を使った建物でも、定期的なお手入れは必要です。そのためには継続したメンテナンスを考えた設計にすることも大切です。たとえば高窓を拭くために、脚立の出し入れが必要な大掛かりなメンテナンスでも続けていかれるか、もう少しお手入れが気軽にできる家にするか、判断の分かれ道です。
日常生活の中に気負わず、気楽にメンテナンスを取り入れられる習慣をつけたいですね。また、メンテナンスフリーをうたった外壁材や内装材なども出てきていますので、工務店に相談してみては。
家を快適なまま保つため、メンテナンスは欠かせません。
完成した時の、うれしさがつまった状態でいつまでも過ごしたいですね。
※参考図書『伊礼智の住宅設計作法Ⅱ』よりQ&A43「…耐久性が高く、メンテナンスがしやすいものを選びます。」