ロンリー・ウルフ
ロンリー・ウルフ
広い広い原っぱのなかで 独りぼっち
君はいったい どこへ行く?
ロンリー・ウルフ
億万の星のなかで 月に遠吠え
君の声は 星たちのごちそうとなり
消えた
ロンリー・ウルフ
沈む雪のなかで 安らかな寝息
でも君はまた起きて 華を振り払って
歩き出す
よちよちと
ロンリー・ウルフ
紅に濡れた世界のなかで 雲を目で追い
しばらくして君は 天を目がけて
飛んだ
重力は
きらい みたい
ロンリー・ウルフ
君は夕陽の恋人 なんだろうか
ロンリー・ウルフ
雨が降っても
雪が降っても
星が降っても
日が降っても
月が降っても
遠吠えが
君の元から離れても
君は歩く
君はいったい どこへ行く?
ぼくがそう言うと君は
しずかで まっすぐな 瞳
ちょっと ぼくを見て
また 歩いていった
ロンリー・ウルフ
お願いがある
そう お願いだ
お願いだ
置いていかないでおくれ
君の尻尾はまだ ぼくを見ているのだから
どうして
どうして 君は独りなんだ
ぼくが
ぼくが
ぼくは
だから
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風よ 進め
彼が歩みを やめないうちに