【読みビト:地中の星】
今回の読了本です。
地中の星
門井慶喜 著
新潮文庫
一応、TOKIO(の端っこ)に住み、主に都内で仕事をしているので地下鉄とは切っても切り離せない生活をしております。
とりわけ、東京メトロは日常的に利用するので、今回のテーマ、「東京発の地下鉄誕生」には飛び付きました。
直木賞作家である門井さんの作品ですから内容は折り紙付きであろうと思いましたので、今回はストーリーに加え、地下鉄誕生の歴史を勉強するようなイメージで読みました。
やはり、期待通りのオモシロさ、主人公の早川徳次(読み方は異なるものの同姓同名、目の付けどころがシャープでない方のヒト)さんを始め、とにかく登場人物が魅力的。とりわけライバルとなる五島慶太さんのキャラが非常に立っていますね。
時代の趨勢もありますが、最後は国(営団)にオイシイ?ところを持っていかれる件もまた、なんとも切ない場面です。
とても面白く、大変勉強になりました。
現在では、「地下鉄の父」とも称される早川さん。
その功績を伝える碑と胸像が銀座駅にあるそうで、時折利用する割には恥ずかしながら存じ上げませんでした。
読了のご縁に、胸像とご対面してきました。
すっかりお上りさん気分で。
そう云えば、余談ですが、4月からNHK総合で『新プロジェクトX(エックス)』が始まりますね。
今からとても楽しみにしているのですが、今回取り上げた本もタイトルからして同番組(以前のプロジェクトX)を意識しているのは間違いないでしょうね。
早川さんのみならず、工事に携わった皆さんを本当にリスペクトしたくなります。そこが書名の由縁なのでしょう。
何歳になっても、知らないことを「知る」ことはとても心地よいものです。こう思える内はまだ大丈夫(いったい何が大丈夫なのよ•笑)かな、と独りごちる読書でした。(k)
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