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じめちゃんの断薬日記

うつ病を克服した元大学教員、心と体の保健室J.C.A新潟支部代表のメンタルセラピストじめちゃんです。

この記事では、私が抗うつ薬などを断薬(手放)し、これらの薬に全く頼らず生活できるようになったエピソードを書いています。

この断薬エピソードは、ただ医師から言われるがままに薬を飲み続けるだけの治療を受けていた自分が、医師の言葉や薬剤師からのアドバイスを受けながら自分の飲んでいた薬について知り、そしてその薬をどう手放していくかを自分で決めながら断薬していった。その記録になります。


ちなみに断薬を決意した時に飲んでいた薬は

サインバルタ、トラゾドン、アリピプラゾール、ニトラゼパムでした。

これらの薬1つ1つの断薬までの過程を書いていきます。


「薬だけに頼らずにうつを良くしていきたい」

そう思ってらっしゃる方の参考になれば幸いです。


【注意】断薬には離脱症状などの危険が伴い、簡単には進まないこともあります。「誰かに薬を辞めるように言われたから」という動機でこの記事を参考にして薬を断薬すると、かえって危険です。このため、この記事は「自分で薬を手放していきたい」という意思が多少なりともある方(うつの当事者と関係のある方も含む)にお読みいただきたいので、意思確認の意味も込めて、誰もが自由に見られないよう有料記事にさせていただきます。ご了承ください。どのような動機があったとしても(前提条件として)薬を手放す場合は信頼できる医師、薬剤師にまず相談してください!


私が所属している心と体の保健室では、医師、薬剤師と連携して薬を手放すためのサポートも行っております。頼る医師、薬剤師、相談者がいない方はお気軽にご相談ください。

心と体の保健室についての詳細、ご相談はこちら
https://mentaltherapy.jp/kokoro.html


1、私が「薬を手放す」という道を選んだ理由


「うつは薬だけでは治らない」


私はうつ病になり3年ほど服薬治療をしていました。

しかし、薬を飲んでいるだけではなかなかうつが良くならず、時にはうつ病が再発するなど、回復に際し足踏みをするような時期が数年続いていたこともありました。


その時期に思っていたことは、

「薬を飲んでいるだけでうつ病が治るのだろうか?」
「もっと根本的にうつをよくする方法はないのか?」


そう思っていた時にメンタルセラピーに出会い、そしてメンタルセラピスト養成講座を受講しました。この受講がきっかけでうつになりやすい考え方、生き方を少しずつ変えることができ、それに伴いうつから少しずつ回復していきました(詳しくはうつ病体験記39)。


またこの講座の中の薬についての学びによって、薬との向き合い方が変わり、そして薬を手放すことができました。

その「薬を手放す」きっかけとなった衝撃的なキーワードが学びの中にありました。

それは、

「うつは薬だけでは治らない」

これは、うつヌケ精神科医宮島賢也先生の言葉です(メンタルセラピー創始者)。


「じゃあわたしは何を治療していたのだろう?」

衝撃を受けるとともに、疑問に思いました。


でもなぜ「うつは薬だけでは治らない」のでしょう?


それは薬との向き合い方に問題があるからかもしれません。

私は、「薬はうつを治すために飲むもの」と最初は思っていました。

これは、「飲んでいればいずれは完治するだろう」という考えからくるものでもありました。


実はこの考えには2つの誤解がありました。


1つは、うつ病には完治はなく、緩解があるということ

この緩解とは、うつ病の症状がないまたは軽い状態が続いていることを指します。基本的にはこの緩解をゴールに定めて治療を行っていくようです。

ではなぜ完治はないのかというと、うつ病になりやすい自分の気質(性格)は変えられないためだと思われます。

それでもうつになりやすい考え方、生き方は変えることができます

なので、自分を受け入れつつ、どうラクに生きていくかを考えることがうつ回復への近道として重要なのかもしれません。


もう1つは、薬は治すためでなく、症状を和らげるために飲んでいるということ

そもそも主治医の先生は、「この薬を飲んでいれば治ります」と言ったことはありましたか?

お医者さんは基本的に私たちが症状を伝えるとその症状を和らげるためによく考えて薬を処方してくださいます

また、診察の時に以下のような服薬以外の指導を受けたことはありませんでしたか?

「生活習慣を改善しましょう」、「運動しましょう」など

おそらく、「服薬+α」の指導を受けていることがほとんどではないでしょうか? これは薬だけでは改善しにくいということが前提になっているのだと思います。


ではその和らげている症状とは一体何なのでしょうか?


当時、私はこう考えていました。

「症状は悪いものだから全て消さないといけない」

確かに症状が全て消えれば、ラクに過ごせるかもしれません。

しかし、この考えは薬を手放す上での大きな壁となりました。

なぜなら、どんなに薬を飲んでも、対策をしてもすべての症状を消しきる(または和らげる)ことはできなかったからです。


「なぜ消しきれないのだろう?」


そう思ったときに講座の中のあるキーワードが目に留まりました。

それは、「症状は悪い物ではなく、体から愛のサイン」

これはメンタルセラピーにおける症状との向き合い方で、うつの症状は、無理をしている自分に対して体が出す

「これ以上無理をすると体がおかしくなるよ」、「もっと自分を大切にして」という警告信号(体からの愛のメッセージ)と捉えます。

その警告信号が、イライラ、考えすぎ、気分の落ち込み、不眠、肩こりからくる頭痛などの症状として体に現れると考えるのです。

このため、これらの症状を薬で一時的に和らげたとしても、根本的な解決にはならないでしょう。

例えるなら、火事で火災報知器が鳴った時に火を消さずに、報知器だけを止めたような状態と同じようなもの。この場合、火を消すという根本的なことをやっていないので、建物は燃えてしまいます

うつも同様で、体を休めたり、考え方、生き方という根本的な面を変えずに薬だけ飲んでごまかしながら生きているうちに私のようにうつ病が再発したりします(心が燃え切ったような状態)。

そうであれば、症状を消すよりも、症状を感じたらどうラクに生きていくかを考えることが重要になってくるかもしれません。


以上、2つの誤解を通して思ったことは、

「薬だけを飲み一時的に症状を和らげたとしても、うつが根本的によくなるわけではない」ということ。


私はこう決意しました。

「根本的によくならないなら、薬を手放していこう」

そう思い、まずは自分の飲んでいる薬について知ることからはじめました(2へ続く)。


医師、薬剤師と連携して薬を手放すサポートを行っています
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2、まずは自分の飲んでいる薬について知ろう


「自分の飲んでいる薬についての情報はどうやって調べたらいいのだろう?」


これは講座の中の、精神薬に関する講義の中で知ったことだったのですが、薬の細かい情報は、インターネット検索を使って調べることができます

調べ方は、自分が服薬している薬の名前+添付文書という言葉を入力して検索するだけ(例、サインバルタ 添付文書)。

検索すると、その薬名の書かれたサイトが検索の上位に出てきます。

そのサイトをクリックすると、その薬の効能、副作用、治験(薬として患者さんに実際に使用する前に行う臨床試験)の結果などが書かれた情報を見ることができます。皆さんも一度調べてみてください。

ちなみに添付文書の一例として、精神薬に関する講義の中では抗うつ薬パキシルの話が出てきました。


パキシルの添付文書を一部見てみると…

若年者では治験での効果はみられなかった。そして、副作用として自殺のリスクは上がったと書かれていました。

抗うつ薬などの治験は、治験の参加者に本当の薬と薬ではないもの(偽薬)を2つ飲ませて、治験の参加者にアンケートを取ってどのような効果や副作用があるかを調べます。精神薬は脳内(神経系)に作用するため、血液検査(客観的なデータ)で効果を確認することはできません。このため基本的には主観的なアンケート調査だけで効果を検証することが多いようです。

「アンケート調査だけでは、治験参加者のその日の気分1つで毎回結果が変わるのでは?」講義を聞いてこんな疑問が浮かびました。


それはともかく、「症状を一時的に和らげるために、自殺リスクを高める薬をずっと飲み続けるというのは大きな問題なんじゃないか?」と思いました。

「これでは自殺リスクを高めるために薬を飲み続けていると言っても過言ではないのかもしれない」


講義が終わってから、私が飲んでいた薬の添付文書を調べました。

その中のサインバルタという薬について調べたら、なんとパキシルと同じようなことが書いてありました

「これでは何のために薬を飲んでいるのだろう」そう思い強く決心しました。

「これで薬を手放す覚悟ができた」こうして断薬に踏み切ることができました。

しかし、以前に薬を全部抜いたことでひどい離脱症状に襲われるという大失敗をしたことがありました(離脱症状についてはこちらをご覧ください)。

このため今回は方法を変えて断薬リベンジをしました。

その方法を使い、まずはニトラゼパム(睡眠薬)の断薬から開始しました(3へ続く)。


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