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神山まるごと高専と阿波踊り(その1)

お盆休みに、Sansan株式会社さんにご招待頂き、阿波踊りと神山まるごと高専に行ってきました!

元々、WiredのEventで、伊藤直樹さんが、神山まるごと高専の授業料無償化の仕組についてお話していて、その点、詳しく知りたい、と思っていた際に、色々な方の助力あり、神山ご担当の方とOn line打ち合わせができました。
この仕組みを簡単に説明すると、企業から寄付金に近い形で出資を受け、ファンドを組成、その運用益で学生の授業料を捻出するというビジネスモデルです。

説明するのは簡単ですが、この仕組みに資金を入れた企業のご判断、あるいはそこに至るまでの過程は、非常に大変だったと想像したし(実際にそのことの説明も受けましたし)、SanSanの寺田社長は、本件の実現に向けてとんでもない数のオンライン会議(当時コロナ禍でしたのから)をこなした、との説明もありました。できれば、この学校の認可が降りた際のYoutubeと、今年の学生の所信宣誓動画(何名かの学生と会話させて頂きました)、見てみてください。

私は常日頃、地方の民間企業が、どのように地域貢献するべきか、この点は「教育」と「医療」ではないかと思ってきました。この神山の取り組みは、地元で我々も、他の企業の方々と一緒に組成できるのではないか、と信じています。

今回は、そのご縁もあり、一度神山にいらっしゃいませんか、ついでに阿波踊りもどうですか、というお誘いを頂き、お邪魔した次第です。

ということで、初日の阿波踊りパートから。

こんなStageですわ。まじか。緊張するって。


藍場浜演舞場という町の中心のネーミングライトをSansanが取得されたので、その演舞場に、(短い時間の練習をしただけで)出陣!となりました。いかに厚顔無恥とはいえ、お金を払って阿波踊りを見にきた観客の前で、30分の練習をしただけの我々が踊るのは、さすがに気が引けたのですが、「小さくならず、周りの人に寄っていかず、堂々と、自信をもって」と先生方のアドバイスを盲目的に信じて、120mのステージに出ていきました。

いや、でもさ。

あかんて。

本当にお客さんは暖かく、でも我々の後を踊られた連の方々の踊りを眺めて、後からする後悔というのはこういうことだと、身に沁みた部分と、不思議と「もう一度ここに来たい」という高揚感もあり、このお祭りの面白さを感じました。

(恥ずかしさの反省から)新規事業的に、阿波踊りを事業創成の観点から分析すると、いくつかのポイントがあると思うので、自分なりにまとめました。

①見学者参加型であることー共創活動
二拍子の音楽、シンプルな踊り、という誰でも、すぐ習得できるという点を売りに、多くの踊り手集団を「受け入れる」というのがユニーク(例えば、東京や大阪の連が参加することも当然構わない、ということ)。通常の祭りはどうしても地域に根差す故、閉鎖的になりがち。地元浜松まつりもそうですし、浅草の三社祭なども地域外の方が神輿を入れることはない。つまり、観客と祭りの提供側には、通常明確な線が存在していると思います。
誰でも、どこでも踊ってよい、言い換えれば、観客と踊り手の区別が明確でなく、全員が当事者足りえる点が、毎年130万人を動員する一番のポイントと感じました。その点ではスペインの牛追いのサン・フェルミン祭りに近いかも。
街のあちこちで同時発生的に行われる踊りも、全員参加が可能。これにより、踊り手と一緒に、観客が、当事者として楽しむことができるようになっていることが、継続性を生んでいると感じました。

そして、もう一点。
阿波踊りは盆踊りの一種ですが、平場で発生する踊りは反時計回り。時計周り、反時計回りには色々な説がありますが、この論評は面白いので、時間のある方は是非。

②シンプルであるが故の発展性ーわかりやすさ
徳島は4日間で、延べ130万人を動員しますが、首都圏でも、高円寺、南越谷が阿波踊りを行う町として非常に有名で、どちらも週末2日で100万人を同意します。このフォーマットではよさこいに類似しており、わかりやすさ故、海外への発展性も強いです。

③フォーマット化によるブーストー制限による方向性
この点は、今回NEO阿波踊り集団寳船から説明をもらって、非常に面白いと思った点です。「踊る阿呆に 見る阿呆 同じ阿呆なら 踊らにゃ損損」という有名な掛け声、この掛け声の通り、元々阿波踊りには、ダンスのフォーマットはなかったそうです。どんな踊りを踊っていても、よかった。
元々、阿波城築城の無礼講で始まったと言われる阿波踊りには、こけら落とし的意味合いもあり、その視点から大阪万博の、今風にいえば、Opening Actに選ばれた、そこで「男踊り」と「女踊り」のフォーマットが生まれたとのこと。
ここから、芸術としての進化が始まったのだと思います。

私、いつも思うことに、「何らかの制限を設けることが、成長や進化を促す」という視点です。サッカーのオフサイド、ラグビーの前方向へのパス禁止、とかね。本当のBrainstormingはすごく難しくて、何かお題がある方が、人の創造性、また一人一人の良さ、役割分担は明確になるように思っています。

それが、阿波踊りが大きく進化した理由なのかな、と。

ということで、次回は本題の「神山まるごと高専」見学です。


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