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娘、オランダで中学3年生になる。

6年前、9歳でオランダに移住した娘が、今年でオランダ中等教育の3年目(日本の中学3年生相当)になりました。
時間が経つのは本当に早いものです。

オランダでは、9月末に新学期が始まりますが、来週からは1週間の秋休みに入ります。この秋休みの直前には、いわゆる「期末テスト」が実施される学校が多く、娘も今ちょうどテスト期間中でピリピリしてます。



オランダ中学校のテスト期間の様子

テストは1日に2教科ずつ、5日間。

合計で10教科の試験がありまして:

Nederlands(オランダ語)、Engels(英語)、Wiskunde(数学)、Aardrijkskunde(地理)、Economie(経済学)、Scheikunde(化学)、Natuurkunde(物理)、Geschiedenis(歴史)、Frans(フランス語)、Duits(ドイツ語)

うちの娘の学校の場合

加えて、娘は古典語を学ぶ「ヒムナジウム(Gymnasium)」を選択しているため、ラテン語古代ギリシャ語の試験がテスト期間の前後に設定されていて、実際には合計で12教科になります。

言語だけでも6教科・・・。
私にはもうちょっと理解できないっす。

のんびりとした小学校生活からの急激な変化

オランダの小学校は、宿題もほとんどなく、のんびりとしています。塾もないし(存在はするけどほとんどの子は行かない)、受験もないし、昭和の田舎町で育った私自身の子供時代に似た、比較的にのん気で穏やかな小学校時代を娘も送っていました。

しかし、これが中学校に進学すると、ガラリと、手のひらを返したように一変するんですね〜。(進路コースにもよるとは思いますが)

宿題や課題の量は急増し、学習内容も難しくなり、課題図書など読むものの量も増えました。学校生活は一気に忙しくなり、それら増大した学習量を消化・吸収していくためには、自律的に自分の学びをデザインする自己管理能力や、学びへのモチベーションを維持する力が必要になってきます。

中等教育の1年目の最初の半年間は、こうした習慣を身につける期間として位置付けられ、様々なサポートもあるのですが、娘はこの時期に半ばパニックに陥り、涙をこぼした時期もありました。

そうしたオランダの小学校から中学校へ大きな変化を乗り越え、今でも勉強は忙しそうだけれど、友人関係にも恵まれ、落ち着いた学校生活を送ってはいるのですが、やはり時折ストレスが爆発。

特に、この中学3年生の秋休み前の期末テストは、来年からの専攻選択に大きな影響を与えるため、娘も普段以上にピリピリしています。

オランダの中等教育システムと専攻選択

オランダの中等教育では、中学3年生になると次の3年間(日本で言うところの高校部分)で何を学びたいかを決める必要があります。

この選択は、生徒の将来の進路や職業につながっていて、
基本的にはいわゆる文系と理工系の2分類、
以下の4つの専攻があります:

  1. 文化と社会(Cultuur en Maatschappij, C&M)
    文系に重きを置いた専攻で、文学、歴史、地理、外国語などが。
    将来、人文科学や教育、社会学の分野を目指す生徒向け。

  2. 経済と社会(Economie en Maatschappij, E&M)
    経済やビジネスに重点を置いた専攻で、経済学や会計、経営学、地理など。ビジネスやマーケティングの分野に興味のある生徒向け。

  3. 自然と健康(Natuur en Gezondheid, N&G)
    理系の専攻で、生物学、化学、物理学、数学など。医学や生命科学、栄養学を目指す生徒向け。

  4. 自然と技術(Natuur en Techniek, N&T)
    技術やエンジニアリングに焦点を当てた理系の専攻で、物理学、化学、数学など。将来、エンジニアや科学者を目指す生徒に向け。

専攻選択は、もちろん本人の興味や将来の進路に基づいて本人が選ぶわけですが、必ずしも希望した通りに進めるわけではないようで。これまでの成績や先生の評価によって、時には「そのコースは難しすぎる」などと判断されることもあるそうです。

娘は今のところ「C&M」が希望らしい。

親としての思い

オランダに住み始めて6年になるけれど、今でも教育システムや学校生活について、親として理解が追いつかない部分は多々あります。

小学校の通信簿の読み方すらよく分からなかった当初に比べれば、多少は知識が増えたと思うけど、中等教育に進むとまた新たな疑問が次々に出てくるし、いつまで経っても、完全に理解できていない感覚があります。

なので、親としてサポートができていない部分はたぶん色々とあるし、そんな中で娘は本当によくやっているな、と思います。

小学校から中等教育へ進むときの学校選び。
中等学校に進んでからの(再)進路選択。
そして、もうすぐ迎える専攻選択。

娘はこれまで、それらの「選択」を自分でしてきたな、と。

もちろん、そのたびに、私たち親はサポートしてきたつもり。
でも、最終的な「決定」は彼女自身が下してきた。

願わくば、このプロセスが、今後も彼女をたくましく成長させることを願うし、そう信じています。

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