【読み切り】幸せは今にある。愚痴ではなく笑顔にあり(縁側でのおしゃべり)
若者: おばあさん、人生で大切なことを教えてもらえませんか?
おばあさん: あら、もちろんよ、若者ちゃん。人生で一番大切なのは、過去の出来事に縛られず、今を楽しむことよ。
若者: 今を楽しむって、どうすればいいんですか?
おばあさん: まずはとにかく、「今」に目を向けることよ。目の前にある良いことに焦点を合わせることで、より豊かな、充実した日々を過ごせるのよ。
若者: 僕は、過去ばかり気にしているかもしれません。過去の嫌な出来事をずっと引きずっている感じがします。
おばあさん: 人生は短いわ。悔いのないように生きるためには、後ろばかりを見るのではなく、前向きな姿勢が大切よ。
若者: 僕は過去にひどい事をされた相手の事をよく思い出すんです。悔しくて、腹が立って、ついついその事を愚痴ってしまいます。
おばあさん: 気持ちはよく分かるわ。
でも、よ〜く、考えてみて。
その話をするのは、幸せになりたいからするの? それとも、不幸せ自慢をしたいの?
若者: そりゃ、もちろん、幸せになりたいからですよ。その過去のひどい出来事がなければ、もっと幸せだったと思うんです。
おばあさん: うん、うん、そうよね。
でも、今を見てご覧なさい。
若者: 今ですか?
おばあさん: 過去のひどい出来事を話しているあなたは、幸せかしら?
若者: ・・・、いえ、悔しくて、残念で・・・、幸せな気持ちとは、ほど遠いです。
おばあさん: そうでしょう。
もし、その過去の事を愚痴る時間を、いま楽しい事、嬉しい事に意識を向けるとしたら、あなたは幸せなんじゃないかしら?
若者: ・・・、あ〜、たしかにそうですね。悔しい時間が、楽しい時間になりますね。
おばあさん: それが、今を大切に、今を楽しむ、ということよ。
若者: そういうことか〜。僕は、過去に囚われて、愚痴ってばかりいたけど、過去は変わりませんもんね。今をどう生きるかが大切ですね。僕は過去を見て、愚痴ってばかりで、今、目の前にあるかもしれない幸せを見落としているんですね。
おばあさん: そうよ。
幸せというのは、いま感じるものなの。
過去でも、未来でもないのよ。
『いま』、なのよ。
若者: おばあちゃん、本当にそのとおりですね。
過去や未来ばかりみて、いま幸せじゃなかったら、いつまでたっても、幸せにはなることは出来ませんね。
おばあさん: そうよ。でも、裏を返せば、いま、見るものを変えれば、今この瞬間に幸せになる事ができるという事なのよ。
人生を幸せで彩るか、不幸で彩るかは、あなたが選んでいるの。
そのことを忘れないでね。