28歳で初彼女ができた話 ⑥生まれた迷い…結婚とその先
楽しく甘酸っぱいミハルとの恋人生活。しかし順風満帆な日々は長くは続かない。その原因は、僕自身の心にあった。
ある日ミハルが横にいた時、こんなことが浮かんでしまったのだ。
「俺は一生彼女と一緒でいいのか?」
毎日楽しく過ごしていたとはいえ、結婚となると話は別だ。失礼を承知で書くが、ミハルは家庭が少々ワケありのようだった。お母さんは夜の仕事をしており、実のお父さんとは小さい頃に別れているらしい。再婚相手の父とは上手くいっていないようで、実質お父さんがいない家庭なのだという。ハッキリと語ってくれることはなかったが、今までの話を総合するとそうした事情のようだ。
結婚式を挙げるとしたらどうか。家族と家族が結ばれるのが結婚であるならば、ミハルの家族を受け入れることができるだろうか。
そんなことを考えると、結婚までは厳しいかなという答えが目の前に出てきてしまった。結婚というゴールにたどり着かないのであれば、このまま付き合うことは失礼になる…むしろ早く関係を終わらせたほうがミハルのためだ。今この瞬間は楽しいと思いながら、こんな悩みに頭の中は埋め尽くされるようになった。
だんだんと僕の心の中は態度にも表れて、ミハルに冷たくしてしまうこともあった。寂しがり屋のミハルに、本当に辛い思いをさせてしまったと思う。