28歳で初彼女ができた話 ⑦静かな亀裂… 何も言えぬまま、遠ざかる距離
ミハルは性格が良い子だった。家庭が複雑なのによくぞここまで良い子に育ったなと思えるほど、素直で人に対して思いやりを持って接することができる子だ。しかしどこかで人に怯えている感じというか、自分を卑下することによって攻撃されるのを防ぐような部分を感じた。
小さい頃父親が厳しかった僕も気持ちはわかるが、自分の意見を言うのが怖くて「自分がどうしたいか」よりも「どうすれば怒られないか」を優先してしまうのだ。そこに関しては共感できたし、心に抱える問題の根底はミハルと一緒だと勝手に思って