回り道の人生が面白い 異色の経歴 タイパと紆余曲折と迷走 説教マガジン
現在、タイパ(タイムパフォーマンス:消費する時間に対して最大限の成果を得る)と言うワードが生まれ、自分の生き方を工夫されている方は増えていると思います。タイパは良いことでありますが、その一方で、「失敗を恐れすぎていないか?」と言う点が、じいさんからは気になりました。
確かに、失敗することは誰でも嫌なことですから、Amazonの通販においても星評価やレビューを読んでから買うのは当たり前です。でも、映画やアニメなどを見る時にも、「まず他人の感想を見て、面白そうなことを確認」してから視聴するなど、さらに慎重になっているように感じます。
慎重なことが悪いかどうか論じる前に、「回り道」をしているように思えるけれど、「面白い人生」にも思える方たちがいらっしゃいますので、ちょっと一緒に見てみましょう。
新川帆立(しんかわほたて) 小説家
私の地元新聞で、「連載」が始まると言うことで初めて知った新川帆立さんと言う小説家の方がおり、小説家を目指す際に、安定した職業が必要であると考え、まず弁護士になったとインタビューにありました。
経歴をWIkipediaなどで深掘りしてみますと
アメリカ合衆国テキサス州ダラス生まれ
半年ほどで宮崎県宮崎市に移住
高校時代は囲碁部所属
麻雀を覚え熱中
16歳の時に読んだ夏目漱石の『吾輩は猫である』に感銘を受け、作家を志す
医学部不合格
弁護士資格の取得できる法学部へ進学
東京大学法学部卒業
東京大学法科大学院を修了した年に24歳で司法試験に合格
司法修習中に最高位戦日本プロ麻雀協会プロテストに首席で合格
1年間だけプロ雀士として活動
2017年1月に弁護士登録。大手法律事務所に入所
企業内弁護士となり、小説に取り組む
2020年10月1日、著書『元彼の遺言状』で宝島社主催第19回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞
2022年4月より、『元彼の遺言状』がフジテレビ「月9」枠でドラマ化。
2022年7月より、『競争の番人』がフジテレビ「月9」枠でドラマ化。同枠で2クール連続のドラマ化となった。
小説家としてかなり有名な方だったことは今知りましたが、それはそれとして、上記の経歴で「ここは無駄でしたね」と言えるところがあるでしょうか。また、本人がそうおっしゃる部分があるでしょうか。
誰しも、人生確かに失敗と思える部分は多かれ少なかれあるわけですが、それでもその時は「ベスト」だと思ってやっていることもまた事実です。もし、今若い人で「絶対に失敗したくない」と考えているとしたら、「本を読む」などあらかじめ知っておくことで回避はしやすくなると思います。
ただ、たとえ失敗したと一時的に思っても、おそらく新川さんのドラマ化された小説は、タイトルで判断する限り、「弁護士ならでは」のテーマのようですから、間違いなくご本人の人生、紆余曲折によって「味が出た」ものであると思いますので、わざと転ぶ必要はないとしても、全ては成功に繋げられると思えば、安心してチャレンジできるでしょう。
梅原大吾 プロゲーマー
とある世代以上においては、プロゲーマーといえば「ウメハラ」と言う名前が一番に上がるであろう業界のレジェンド、梅原大吾さん。私は最近離れているのですが、一時期「ゲーム実況(配信)」と言うものにハマり、梅原さんの配信もよく見ていました。しかし、先日偶然「切り抜き動画」で久しぶりに出会い、そこで彼は「42歳でこんなに楽しい毎日でいいの?」的なニュアンスの発言をしており、さすがだなと思ったのです。
知っている人は知っていると思いますが、彼は、小中学生あたりからゲームセンターに通い、「対戦格闘ゲーム」を得意として、実力もあり、それから年齢を重ねるにつれて、大会で優勝も重ね、世界一にまでなりました。
その一方で、一時期、勝負の世界に疲れ、ゲームセンターを離れ、フリーターを転々、その後は麻雀で食べていくことを考えたり、老人ホームで勤めたこともあるというのは有名な話です。
上記のコラムを読むとわかりますが、梅原さんは、業界屈指の「語れる人」であり、講演依頼もよくあるようでYouTubeなどでも見られますが、とても「含蓄のある話」を聞けるところも人気の理由であると思います。
そのような梅原さんもまた、人生に紆余曲折あったでしょうが、彼自身は振り返った時に決して、「これは無駄だった」と言うことはないのではないか、と私は思います。その結果得られたのが、「毎日こんなに楽しくていいの?」と言う状況であり、人類皆が目指す境地であると思います。
有名人でなくても
もしかすると「元々才能のある人」「有名人」ばかり見せられて不満に感じる人はいるかもしれません。しかし、心配は要りません。結局、得意なことや才能のある分野を見つけるまでが紆余曲折ということであり、見つけるまでの時間が人それぞれ違うだけなのです。
お一人、弁護士の方をネットで見かけました。
高校を卒業(偏差値40ほど)
建設作業員(現場のあらゆる下働き)
コンビニ夜勤のアルバイト(非正規雇用)を2年
新聞配達の仕事(午前1時からの朝刊配達)を3年
暇な時間ができる
NHKのラジオ語学講座を聞きながら英語とスペイン語を独学
フリーランスの通訳としても働く
仕事をしながら大学受験をして合格
大学院に進学、司法試験に合格,弁護士登録
外国大使館・総領事館の顧問弁護士や,海外で活躍する芸能人の代理人、国内の外国人の交通事故や刑事事件などを扱う
こう言ったユニークな経歴の方もいらっしゃいます。弁護士になるきっかけの接点は、語学を学習したことで「裁判所で通訳のアルバイト」をした際に、そちら方面への感銘を受けたそうです。
過去についての考え方
ここまで、過去の経歴によって、いま輝いている人たちを見てきたわけですが、その一方で、過去を気にする必要はないです。
たとえば、学校でテストの点数が50点(100点満点)だったとして、次回は、「じゃあ55点か60点」と思いがちですけれど、そこには何の理屈、理論もありません。
ドミンゴ・ヘルマン(またはハーマーン)というニューヨークヤンキース所属の投手が、完全試合(9イニングを投げきり被安打0、与四死球0。失点0、失策0で勝つ)を達成しました。メジャーリーグ11年ぶり24人目の快挙ということです。
ニューヨークヤンキース、と聞いて、「なんだ、元からすごい人じゃん」と思われるかもしれません。もちろん、全く能力の無い人ではないでしょうが、快挙達成前の直近2試合の成績を見ると、
先発 2イニング 被安打7、失点7
先発 3.1イニング 被安打8、失点10(被本塁打4、自責8)
など、数字で見る限り、とても酷いものだったようです。しかし、今回(次の試合)で、完全試合を達成したわけですので、過去と未来は関係ないのです。
それにしても、成績以外においても、かなりのお騒がせ選手のようですが(DVは「お騒がせ」で済むのか?)。
当然のように、今回の彼の快挙に対して、「祝福できない」旨のコメントを見かけました。それらの是非は、当事者に任せます。ただ、人が能力を最大限に発揮し、活躍するという話において、昔にたとえば親から、「あなたは人前で話すのが苦手だからね。あの時も大失敗したじゃない」と言われていたとしても、現在の私には全く関係ない、と思ってやっていけばいいということです。
また何かあれば追記します。
ありがとうございました。