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スマートフォンで作文

 スマホの文字入力がストレスだ。
 フリック入力に不慣れで、上下左右を間違える。
 それも漢字変換するまで気づかないから始末が悪い。

 音声入力を試す。
 その速さと正確さに驚いた。
 老いの活舌の悪さも心配ない。
 エッセイの下書き程度なら、口述筆記も十分いける。
 〈Google Keep〉アプリをインストールし、新聞や本などを読みながら閃いた文章を呟く。 

 スマホに同期させてあるパソコンでGoogle Keepを開くと、呟いたメモや原稿がテキストファイルとして保存されている。
 これを〈ChatGPT3.5〉にコピーペーストして校正を頼むと、一瞬で誤変換の修正や句読点などの追加までやってくれる。
 その文章をワードファイル上に縦書き表示でコピペしておき、じっくりと数日かけて推敲すれば『明鏡』向けのエッセイ一本出来上がり!

 古希をはるかに過ぎた身にとっても、インターネットのない生活は考えられない。
 パソコンで検索したりスマホに尋ねたりと、クラウドは薄れる記憶をたどる外付けメモリーだ。
 そのうえ口述筆記まで引き受けてくれるスマホは、もはや秘書のような存在である。
「随筆も安楽椅子に身を沈めスマホに語りて草し終(を)ふなり」医師脳

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