児発放デイ令和6年度報酬改定関連(財務省:財政審2023/11/1)
財務相の諮問機関の財政制度等審議会 財政制度分科会から、2023年11月1日にもたれた会議において、障害福祉サービス報酬改定について減額改定と適正化の意見があり、その資料を確認していきます。
財政制度等審議会財政制度分科会
財務相の諮問機関である財政制度等審議会財政制度分科会において、2023年11月1日に医療・介護・障害福祉の社会保障分野が議論されました。
医療分野においては診療所分野などでは減額改定で意見が一致するなど、社会保障分野全体として持続可能性を模索されています。
(財務省としては社会保障費を抑制したいと考えています。)
障害福祉サービス全体の議論部分と、児発・放デイに関わる部分の資料を見ていきます。
障害福祉サービス等(総括)
ずっと言われていることですが、「総費用額を抑制」がいつも通り歌われています。今回の報酬改定で気にすべきは、「収支差の評価」と、「総量規制」への取組みになります。
今回、財務省から指摘される総量規制は「グループホーム」についてです。
しかし、児発・放デイも一部地域で総量規制が進んでいますので、適正化が検討される可能性はあります。
障害福祉サービス等の現状1(予算・利用者数・事業所数の推移)
医療・介護で51兆円です。そのなかで障害福祉は1兆9千億円となります。
直近10年で51兆円の中1千億円増えたと言われています。割合で表記されている理由が分かるかと思います。
障害福祉サービス等の現状2(総費用額の増加の要因分析)
需要は減らないし増えていくことは認めた上で、総費用は減らしたいので減額改定をというのがこの資料で言いたいことでしょうか。
自己負担割合を増やしたいとも言いたそうですが、負担割合が減ってきた経緯を考えるとちょっと難しそうにも思えます。
障害福祉サービス等の現状3(事業者の経営状況)
今日のメインはこの資料です。
障害児向けサービスは数ありますが、児発と放デイが取り上げられています。
児発・放デイ共に収支差率が全産業平均より高いです。実は前回の報酬改定(R3)でも言われていたことで、実際に、放デイは概ね減額改定になりました。
今回は、指摘はされているが、児発と放デイだけをみるとそう大きくないとも言えることから、減額改定にならないことを期待しています。
居宅介護や生活介護は厳しいのかなと思ってしまいます。
障害福祉サービス等の現状4(事業者の売上げ・内部留保)
これはちょっと課題で、社福の内部留保が多いので活用してくださいとのことです。
内部留保がない企業は赤字運営を迫られることになるので、さすがに対応のしようがないと思います。
社福めがけて何か努力義務的な事業を押しつけるとかでしょうか。さすがにやらないでしょう。
障害福祉サービス等の現状5(処遇状況等調査結果)
処遇改善加算より賃上げが進んでいるのは、これは財務省としては願ったり叶ったりでしょう。賃上げが進んでいるので、行政としてはこれ以上要らないと言いたそうな雰囲気の「還元」という言葉が気になります。
処遇改善加算については令和6年度から6,000円アップが検討されています。
将来、処遇改善加算にあたって、職種別の報告を求められるかも知れません。現状は事務の簡便化を進めようとしているので、さすがに今回はないと思います。
障害福祉サービス等の現状6(事業者に対する実地指導)
実地指導の強化は、歓迎すべき事か、面倒なので嫌だというか、悩ましいことです。指摘事項は、あまり気にしないで良さそうと思います。
障害福祉サービス等の現状7(地域差)
障害児通所サービス(サービスの質・利用時間に応じた報酬)
この議論は、前回の財政審でも行われており、今回の報酬改定検討チームの議論にも反映済となります。
報酬改定検討チームの資料と財政審の資料で違う点は、「個別支援計画に定めた個々の利用者の支援時間に応じた評価」と「サービス利用時間に応じた報酬体系」です。個別支援計画書に支援時間を書くことになるのか、実支援時間を記録して請求することになるのか、わからないです。
障害児通所サービス(自治体の給付決定・セルフプラン)
この議論は、前回の財政審でも行われており、今回の報酬改定検討チームの議論にも反映済となります。
給付決定の主導権を国が持つように指摘されているので、今後給付日数については指標が提示される可能性があります。
財務省(財政制度等審議会財政制度分科会)としては、ものすごく厳しくマイナス改定を求めていませんが、全体的には社会保障費を抑制したい方向性での資料でした。
記事をお読みいただきありがとうございました。
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