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新札・新硬貨に対応する

自販機ビジネス応援サイト【自販機生活】の杉山です。

今回は、既に【自販機ビジネス】を始めていて【自販機生活】から自販機を購入いただいた方から、最近よく頂く質問の中から「新札・新硬貨の対応」についてご紹介します。


お札と硬貨を識別する機械は違う

お札の識別は「ビルバリー」

プラスチック製の蓋をを持ち上げて、千円札を入れるアノ部分です。ビルバリーはお札が入ってきた瞬間に、小さなモーターが動き出してお札を吸い込みます。その際、吸い込んだお札が、本当のお札なのか、ただの紙切れなのか識別しています。

高額な商品を扱う機械や、両替機を除くと、自販機ではお釣りにお札を使うことはありません。そのため、商品が購入された後はビルバリーの中で大切に保管されます。

お札は時々、戻ってきてしまうことがあります。定説では、シワを伸ばして入れれば大丈夫。という意見が多くありますが、実際は表面についている汚れ「特に油汚れ」が関係しているそうです。確かに、シワシワの状態では、読み取れないのはもちろんですが、お札も流通する間に、皮脂や色んな汚れがついています。
絶対という保障はありませんが、比較的折り目の少ないお札で、何度も戻ってきてしまう場合、ズボンのお尻や布で拭くと、認識してくれる確立があがります。

ビルバリーのイメージ

硬貨の識別は「コインメック」

入れられた硬貨の金額を正しく選別して、投入金額を表示させます。また、硬貨はつり銭にも再利用しなければならないので、それぞれ個別の部屋へ分けて収納しています。

識別の方法は、詳しく説明することは出来ませんが、投入口から落下中に、どの硬貨が通過したかを瞬時に読み取る、案外優れた機械です。そのため、100円を入れて戻ってきても、もう一度同じ100円を入れると認識してくれることがあります。

硬貨は、流通過程やお財布の中で、日々キズと戦っており、同じ金額の硬貨でも、表面のちょっとした違いが発生します。その違いが原因で、読み取りエラーが発生して戻ってくることがあるのです。
また、濡れた硬貨を入れると読み取りエラーに加え「コインメックの故障」の原因になるので、濡れていたら拭いて頂けると嬉しいです。

コインメックのイメージ

新千円札・新500円への対応

新千円札

新千円札とは、令和6年(2024年)7月3日から発行された、新しいお札のことを言います。同時に五千円・一万円も発行されたので、ニュースにもなった、アノお札です。
こちらも、お札の識別をしているビルバリーにとっては「知らないお札」が投入された。と判断をするため、認識をせずに戻ってしまいます。

では、新千円札を使えるようにするにはどうすれば良いか。
答えは「新千円札対応のビルバリーに交換」するしかありません。

一部最新機種であれば、対応している自販機も存在していますが、やはり対応し切れていない(ビルバリーの交換がされていない)自販機がたくさん存在します。

新500円

新500円とは、令和3年(2021年)11月1日から発行された、外側と内側の色が異なったデザインの500円を言います。
先ほどコインメックの紹介でも触れましたが、硬貨は投入されると、すぐに識別されます。旧500円玉と新500円玉は、見てわかるとおりにデザインが異なっており、新500円玉に対応していないコインメックとしては「知らない硬貨」が投入された。と判断をするため、認識してくれません。
センサーがそう判断してしまう以上、いくら硬貨をきれいに磨いても、キズ一つ無い新500円玉を入れても、戻ってきてしまうわけです。

では、新500円玉を使えるようにするにはどうすれば良いか。
お察しのとおり、「新500円対応コインメックに交換」するしかありません。

新型自販機では、販売当初から新500円に対応している機種がほとんどですので、あまり気にすることはありませんが、以前から設置されている自販機では、メーカーやオーナーさんが、新500円対応のコインメックを購入する必要があります。つまり、金銭的負担がかかってしまう点や、手間がかかってしまう点から、まだ対応していない自販機も見受けられるというわけです。


新札・新硬貨に対応するべきか?

その答えの前に、新札・新硬貨対応の中古「ビルバリー・コインメック」とは何かをご説明します。

ビルバリーとコインメックは、それぞれ別の機械から出来ており、自販機の扉を開けると独立して設置・配線されています。

自販機生活】では、ビルバリー・コインメックを取り外し、メーカーへ新札・新硬貨対応の依頼と共に、ビルバリー・コインメック自体を渡します。お金を認識する部分ですので、国の認証を得たメーカーでなければ、加工は出来ませんので【自販機生活】もメーカーへ委託しています。

加工をしてもらったビルバリー・コインメックは、内部が加工されただけなので、自販機に設置しなおすことができ、新札・新硬貨の識別チェックを行います。取外しをした時点で、出来る限り清掃をしてからメーカーへ委託するので、綺麗な状態で自販機に戻すことができます。

また、中古の加工済みビルバリー・コインメックは、【自販機生活】でも取り扱っており、購入することも可能です。<<ご購入はこちらから>>
わかりやすく実演をした、交換方法の動画もお送りしますので、ご自身で交換をお願いしています。


本題「新札・新硬貨に対応するべきか?」

今回この記事を作成するきっかけとなったのが、この部分です。
以前に【自販機生活】から中古自販機を購入いただいたオーナーさんのうち、35%の方は既にご購入、45%の方はご相談、20%の方はまだ問い合わせなし。という状況です。

お問合せの割合

対応するメリット

500円、千円は共に、自販機にとって大切な金種です。
対応している自販機と、対応していない自販機が近くにあった場合、ユーザーは対応している自販機から購入する可能性が高くなります。
すなわち「機会損失」の原因となってしまいます。
ユーザー目線を大切にする場合、新札・新硬貨に対応する必要性が高く感じられます。また、キャッシュレス時代によって、小銭を消費するタイミングも少なくなっており、自販機は小銭を使うチャンスと考えている人も多いでしょう。

対応するデメリット

中古のビルバリー・コインメックであっても、出費が伴います
中古品ですので、時期にやお使いの機種によって金額は変わりますが、参考価格としては、
・中古ビルバリー:35,000円+税~
・中古コインメック:32,000円+税~
(いずれも着払いで発送いたします)
※旧札・旧500円にも対応しています。
オーナー目線で考えた場合、少なからず出費が伴うことはもちろんのこと、せっかく交換しても、新札・新硬貨が使われない場合も考える必要があります。ただ、旧札・旧硬貨にも対応しているので、ご安心下さい。


考慮すべき点

  • 既に自販機のオーナーをされている方は、新札・新硬貨が登場してから、売上に影響はありましたか?

  • 投入される金種に偏りは出始めましたか?

何かしらの影響が感じられる場合、対応していないから「違う自販機を利用した」「違う金種を使った」可能性があります。

  • 交換をするために要した費用を回収できますか?

  • お札が多く使われる自販機ですか?

  • 硬貨が多く使われる自販機ですか?

ビルバリー・コインメックは、それぞれ単独で交換することができるので、多く使われている金種だけでも対応させる方法もあります。


まとめ

  • お札を識別している機械=ビルバリー

  • 硬貨を識別している機会=コインメック

  • 別々の機械なので、片方のみ交換が可能

  • 対応するか否かは、売上状況に応じるのがベスト