一番最初は嫌!

赤ちゃんの社会的参照

未知の対象に対しては社会的参照を用いる

初めてのことをする時はいつだって緊張します。

以下のような状況を想定してください。

あなたは友人数名とバンジージャンプをしに山まで行きました。

山に行くまで、あなたはバンジージャンプのことなど見たことも聞いたこともありませんでした。

山に到着すると、ガイドさんがこう言います。

「誰から飛びますか?」

ここであなたはどうするでしょうか?

真っ先に危険を冒して飛ぼうとしますか?それとも誰かが飛ぶのを見て、安全性を確認できたら飛びますか?

きっと、多くの皆さんは先に飛ぶとは言わないでしょう。

これと同じような決断の仕方を赤ちゃんもすることがわかっています。

周りの人の表情や反応を見て判断を下すことを社会的参照といいます。

では、どのような時に社会的参照は起こるのでしょうか?

ある研究では、赤ちゃんが未知のおもちゃに遭遇した時に母親や周囲の人間の反応を見ることがわかりました。

これは、安全かどうかがわからないような状況で社会的学習が行われやすいということを示唆しています。

つまり、バンジージャンプが安全かどうかわからないような状況で真っ先に飛ぼうとする人はバンジージャンプが安全であった場合は問題ないですが、危険であった場合は生存確率が著しく減少します。

しかし、2番目以降の人は1番目の人の行動を見て飛ぶかどうか決めればよいわけですから、1番目の人よりははるかに安全というわけです。

赤ちゃんですら未知の状況では他者を参照するということはバンジージャンプで1番目に飛びたくない(誰かが飛んだら飛んでもいい)という考え方は進化によって培われてきた生存確率を上げる方法なのかもしれません。

参考文献:

Kim, G. and Kwak, K. (2011), Uncertainty matters: impact of stimulus ambiguity on infant social referencing. Inf. Child Develop., 20: 449-463. doi:10.1002/icd.708