Unity MLトレーニング学習環境構築(初級編)part1
0.はじめに
本記事では、「ml-agents-release_3(2020年6月10日発売)」のリリースを使って、Unityで "ボール(Agent)" が "ボックス(Target)" を追いかけるトレーニング環境を、全3回に渡って構築していきます。
第1回は、AnacondaとUnityの環境構築です。
注意:
主に手順だけを示しますので、より具体的な解説は下記のサイトより
https://github.com/Unity-Technologies/ml-agents/blob/master/docs/Learning-Environment-Create-New.md
1.使用したもの
UnityとAnacondaは、すでにインストールしているものとして説明をしますので、インストール方法などについては別途サイトをご覧ください。
・WindowsPC
・UnityHub→Unity2019.4.3f1
・Anaconda(python3.7の64bitインストーラー)
・ML-Agents(var.release3)
・Visual Studio 2017
・Windows標準のメモ帳
2.ML-Agentsのダウンロード
「Unity ML-Agents」のダウンロードには2つの方法がありますが、今回はzipフォルダーをダウンロードする方法で説明してきます。
(0)フォルダーの作成
「C:\Users\ユーザー名」に進み、”新規フォルダーの作成”で『UnityRollerBall』と名前を付けて作成してください(※フォルダー名は、英数字であればなんでもいい)。
今回はUnityRollerBall内に"Unityプロジェクト"と”ml-agentsフォルダー"をまとめます。
※この方が、スムーズに進む。
(1)GitHubからのダウンロード
URL: https://github.com/Unity-Technologies/ml-agents
↑には、最新のml-agentsのリポジトリがあります。
今回は最新バージョン(master(unstable))を使用しません。最新バージョンは動作が不安定な場合があるので、1つ前のバージョンをインストールします。
リンクページの下にいくと下図のような表がありますので、「Release3」をダウンロードし、(0)で作成した『UnityRollerBall』フォルダー内に解凍してください。解凍後、フォルダー名を『ml-agents-release-3』と名前を変更してください。
3.Pythonの仮想環境の構築
「Anaconda Prompt」を使うことで、ML-Agentsトレーニングスクリプト用のPythonの仮想環境の構築できます。
(1)「RollerBall」という名前の環境を作成する。「y/n」の選択は「y」を選択し、インストールを続行する。
※同じ名前の環境がある場合は、名前を変えるか、番号を付けるかなどの対応をお願いします。
$ conda create -n rollerball python=3.7
(2)環境をアクティブ化する
$ conda activate rollerball //先ほど付けた環境名
(3)【2.ML-Agentsのダウンロード】でダウンロードし解凍した「ml-agents-release-3」ディレクトリに移動する。
※プロンプトがユーザー名のディレクトリからスタートしているものとする
cd UnityRollerBall/ml-agents-release-3
(4)次のコマンドを実行して、ml-agentsをインストールをします。
cd ml-agents-envs
pip install -e ./
cd ..
cd ml-agents
pip install -e ./
cd ..
4.その他
(1)再度アクティブ化をする場合
なんらかの理由で「Anaconda Prompt」を閉じてしまった場合は、
【3.(2)】で使用したのと同じコマンドでアクティブ化できます。
ただし、学習をスタートさせるときに、「ml-agents-release-3」のディレクトリに移動することを忘れないようにしておきましょう。
5.Unity環境構築
(1)プロジェクトの新規作成
プロジェクト名:RollerBall
保存先:C:\Users\ユーザー名\UnityRollerBall
テンプレート:3D
(2)「ml-agents package」をインストール
「Windows → Package Manager」を開き、「+ → Add package from disk...」を選択し、「UnityRollerBall → ml-agents-release-3 → com.unity.ml-agents」のフォルダー内に進み、『package.json』を選択しインストールする。
(3)強化学習用アセットのコピー
「ml-agents-release-3 → Project → Assets」のフォルダー内にある『ML-Agents』のフォルダーをUnityのプロジェクトウィンドウ内にドラッグしてコピーする。
(4)プロジェクトとシーンの保存
「File → Save Project」で設定を保存します。また、「File → Save As...」から『RollerBall』と名前を付けてシーンを保存します。
6.まとめ
今回は、AnacondaとUnityの環境を構築しました。次回は、プレハブとプログラムについて作成・解説をしていきます。