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pin百物語「おじいちゃん」
テレ東の心霊番組を見てて、ふと思い出しました。
何かの偶然とか、たまたまとか、いくらでも可能性はある話です。
恐怖の心霊体験ではなく、心暖まる心霊体験の感覚で読んで頂ければ…。
私のnote記事の最初の方に出てくる、小学校6年間同じ家で住んでいたおじいちゃん。
ほんまに大好きで、かつて色々とやらかしてきた私にとって一番の味方でした。
どんなときも、私に否定的な事を言わないで優しいオーラで包んでくれていました。
おじいちゃんからすると、私は初孫です。
なので小さい頃から遊びや物作り、様々な事を教えてくれました。
私は色々とありまして、苦難の末に高齢出産と言われる年齢を迎える数日ほど前に娘を出産しました。
いつも…おばあちゃんからは、まだかまだかと催促。
その言葉が私にとって辛いとき、おじいちゃんは何も言わず何も聞かずいてくれました。
既に大勢ひ孫がいたにも関わらず、間違いなく私が産むひ孫を一番待ち望んでいたと断言できます。
だからこそ、心苦しさを長い間持ち続けてきたわけやけど…
そうこうしてやっと、私が産んだひ孫と対面できたおじいちゃんは娘が産まれてすぐに…
「ワシが自転車買ったるからな」
と言ってくれていました。
娘がコマ付きの自転車に挑戦する年齢になり、おじいちゃんとおばあちゃんと娘と4人でAEONに行き自転車を買ってくれました。
(その時の写真です↑)
その2週間後。
おじいちゃんの息子である私の父から電話。
「おじいちゃんが認知症って診断された。」
…まさか、そんな。
だってちょっと前に自転車を買いに行ったときは全然そんな…。
娘に、ひ孫にした約束を果たした途端、認知症って…
受け入れられなくて、どう処理していいか分からない気持ちでした。
よくよく聞くと、数日前から奇行が目立ち始め朝方に倒れたらしく救急車で運ばれ検査した結果認知症が発覚し、そのまま入院となったらしい。
それからは畳み掛けるように大腸に癌が見つかり手術もしたけど、再発。
結果的に認知症と診断を受けてからほぼずっと病院で寝ている状態となり何度会いに行っても起きているおじいちゃんには会えなかった。
あの自転車を買いに出掛けたのが最後となってしまった。
その日は突然やってきた。
小学校に入学した娘を車で送っていった。
そのまま家に戻ったと同時に、父からの電話。
こんな朝に…電話…
少し身構えた。
「おじいちゃんな、さっき亡くなったから…」
それはもう突然だった。
ずっと意識が戻ることなく寝ていたおじいちゃんの心臓が突然鼓動を止めた。
病院の近くに住んでいたおばあちゃんは臨終に立ち会えなかった。
父は電話する前に私にメール送ったけどと言っていた。
何件かメールが…
??????
えっ、なんで???
父からのメールの前に娘のリュックに忍ばせてるGPSからメール…?
しかも2通?
構造上、自らの意思で押し込まないと居場所を知らせる通知メールは来ない。
しかも同じ時間に2回なんて有り得ない。
私は父からのメールに8時10分に亡くなったと書いているのをみて驚きを隠せなかった…
おじいちゃんが亡くなって1分後に…?
あぁそうか…
教えてくれたんや…
私は去年おばあちゃんに…初めてこの話をした。
おばあちゃんは顔を手で抑えて泣き出した。
私も泣いているのを悟られないように上を向いた。
「おじいさん、おじいさん…」
続けて私は1人で家にいるときに、おじいちゃんの存在を背中で感じることが何度もあるんよと言った。
おばあちゃんは更に号泣した。
おばあちゃん自身も、何度もおじいちゃんの存在を感じ、何度も夢でこっちの世界に来るのはまだ早いと言われていると…
生きてくれている、最愛の人に先立たれたおばあちゃんを寂しがらせないように出来る限り娘と会いに行っている。
このご時世になってからは娘は手紙を書いて写真も送ってる。
そして、最愛の人を残して…きっと心残りのまま逝ったおじいちゃん。
節目には必ずお墓の掃除をしている。
それくらいしか出来なくて申し訳ないけど、娘もお墓参りは喜んで行くし掃除も率先してやってくれる。
おじいちゃんの愛情を娘はちゃんと覚えてるよ。
背中で存在を感じるときはいつも金縛りのような感覚でゾクッとするけど、すぐにホワホワする…
不思議な感覚。
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