妙に忘れられない他人
おはようございます あなたはおそらく二度と会えないがどうしても忘れられない人はいますか わたしはたくさんいます 1日だけ、数時間だけ出会った人ほどなぜか忘れられなく、たまに思い出してあの人は元気かなってなります
今日はなんとなくその人たちとの思い出をまとめて残しておこうと思います
1.魚屋のおっちゃん
わたしが幼い頃、地元には大きな市場があった
八百屋、魚屋、肉屋、乾物屋などここにくればなんでも買えるというところがあった
そのうちの魚屋 これは道沿いにあり、そこを通らないと商店街に入れなかったので頻繁に前を通過した もちろん買いにも行ってた
さあいらっしゃいいらっしゃい っていつも元気に呼び込みをしていてわたしが来るたびにいつも挨拶をしてくれた
母の付き添いで買い物をすると毎回決まってヤクルトを一本くれた それが嬉しかった
ある日ヤクルトをくれてわたしの頭を大きな手でワシャワシャと撫でた後わたしの頭に魚のウロコがついていたことがある
その市場はある日建物の老朽化に伴い閉鎖、解体されてしまった
その中で働いていた人々は近くに移転したり店を閉じたり様々だった おっちゃんはどこか別の街へ行ってしまった
閉鎖されたのはもう10年以上前の話だが市場があったところはずっと駐車場になっている 駐車場にするくらいなら市場を建て替えとかにしてほしかった これが悔しい ずっと
おっちゃんは元気にしてるだろうか、当時の年齢から考えると存命かどうかも怪しいが
おっちゃんにすごく報告したいことがあるし喜んでくれそうなんだけどなあ
2.ジブリ美術館の女の子
小学生くらいだろうか、ジブリ美術館に行った時にねこバスの遊具で一緒に遊んだ女の子
わたしより一つが二つ年下で確か関西弁の小さな女の子 一人っ子だったと思う
その場で知らない子仲良くなるのがおそらく初めてだったので嬉しかったし楽しかった
帰る時「またね」と言った
でもその時もうこの子には二度と会えないってどこかわかってた だから今も覚えているんだろう
3.グアムのファンキーなにいちゃん
7〜8歳くらいの時、家族旅行でグアムに行った
正直あんまり覚えてないがアルバムをたまに見ると海外旅行を謳歌しているわたしたち家族が出てくるのでびっくりする
その中に満面の笑みでアロハシャツ、腕にタトゥーが彫られているガタイのいい男がいる その男の当時3歳くらいの妹とのツーショットがある
妹が明らかに警戒の顔をしているのがまた対極的でおもしろい
この男のことはなんとなく覚えている ホテルのプールにいつもいた男だ 数日滞在していつ行っても彼はいた 満面の笑みで迎えてくれた 確か日本語が伝わったはずだ
彼が何者だったのかわからない ホテルの従業員だったのか現地のガイドか何かだったのか わからない
今でもアルバムを開くと彼の眩しい笑顔が出てくる
4.インターネットリテラシーを教えてくれた人
中高生くらいの時だ、Twitterに大ハマりした 今もずっとしているが当時はすごかった
中学生の時はスマホを持ってなく、パソコンからわざわざログインしていた
その時創作企画に参加していた 簡単に言うと企画に沿ったオリジナルキャラクターを各々で制作し、それで交流するといったものだ
その企画には中高生が多く参加していて正直オリキャラをちゃんと演じてる人と完全に中の人が出てきていたりキャラがそのまま本人の等身大になっている人が多かった わたしも後者だった 大きな黒歴史である
そこでわたしが一番慕っていた人がいる たまごと名乗っていた 男のキャラクターを作っていてノリが良く面白く、何より絵がすきだった 彼が出てくると楽しかった
当時、キャラが自分のアバター状態になってる人がかなり多く、実際の性別とキャラの性別が一致してる人が多かった なんなら実際の特徴もあまり変わらない人も多かった 現実との区別が曖昧な世界で彼は徹底していた
絶対に日常の話をしなかった 写真もあげなかった 絵とスクリーンショット以外になにもあげていなかった 趣味の話もあまりしなかった
このことからどこに住んでいて性別がどちらで年齢も普段なにをしているかもひとつもわからなかった
わたしはそこそこ最低なのでどうにか特定しようと色々質問して口を滑らすの待ちをしていたがうまくいかなかった ギリギリどのエリアにいるだろうなくらいしかわからなかった そんなことするな
そんなある日オフ会を開催しようという話が浮上した わたしも誘われた 迷っていた
当時15歳くらいでいつも喋ってる人達とはいえ知らない人である
リスクは大きいのでは無いか でも興味がある 迷っていた
そんな時彼はわざわざDMでわたしを止めに来てくれた オフ会に行くのは危険だと そう言われてわたしは用事があると断ることになった
その時いたメンバーが一人結果やばいというかあんまり良くない人であったので行かなかったことが結果正しい選択になったのだ
そしてそれからしばらくして彼はインターネットから姿を消した
Twitterもpixivも全てのアカウントを削除していなくなってしまった
あの時止めてくれたことをずっとお礼を言いたいが言えないまま月日が経ってしまった もうきっとインターネットで見つけることもないし一生お礼を言うことはないだろう
まあ数年後平気でインターネットの人間に会うような人間になってしまったことはちょっと申し訳ないと思う
5.バイトを5日でやめたあの子
飲食店でバイトをしていた時、何故か同期がほとんどいなかった ギリギリ同じ学年がいても歳が違った 少し肩身が狭かった
そんなある日、同い年で同じ学年の女の子が入ってきた なんとなく興味を持ち学校名を聞いたらなんとわたしが通っていた高校の附属大学だった これは話が合うぞと思って嬉しかった しかも普通に趣味もノリも合いそうだ やっとバイト先で友達ができた
そう思った数日後、彼女は辞めた
もう少し仲良くなりたかったな
6.金麦を奢ってくれたにいちゃんたち
ここからは最近の話にはなる 2年前に直島に行った 主要都市ではコロナが流行り始めていたがギリギリ地方だとまだ意識が薄く誰もマスクしてません状態だった頃だ
その旅行はコロナの影響で一部行けなくなってしまったところがあったので島のバーでコロナビールを友人と飲みヤケクソでコロナの文句を言っていた
我々の後から男性が二人入ってきた 30代半ばのメディア業界で働く同僚だったと思う 普通にこの年齢で男2人旅って珍しいな しかも仕事仲間とってすごいなって思った記憶がある
その時の話はこちらでも少ししている
今一番大変な業界だろうし元気かなと心配している
そして知らない人と気兼ねなく飲める世界はまだかと待ち望んでいる
7.内定者交流会にいたFラン大男
見出しが最悪で申し訳ないが事実なので許してほしい
シンプルに顔が割とすきだった 話をしてみたらわたしの地元の有名なFラン大学の人だったのでその大学の悪口が弾んだ
本当に最悪だがマスクを取った姿をみたらそうでもなかった マジでごめん こんなこと言って
彼はいつのまにがいなくなっていたので内定の辞退でもしたのだろう もう会うことはない
こういうほんの少しの時間ですごく印象に残った人たちがたくさんいる まだいる
彼らはわたしの中にそんなに爪痕を残してるとは思いもしないんだろうな
逆にわたしのことをすごく覚えている人間もどっかにいるのかな おもしろい
二度と合わないだろうけどちょっとだけ会いたいな