オイル発掘日誌Day17 毛利れい編
こんにちは!4回生の毛利れいです。
本番まで2週間を切り、最近は部活のことで頭がいっぱいで毎晩部活の夢を見ています。ある日はオイル缶を投げつけられ…ある日は説教され…夢の中では現実以上にハードな活動が行われています。
今公演「オイル」では、役者として富士役をしています。富士は、人一倍家族思いで、芯のある女の子です。「オイル」は、そんな富士の強い思いが様々な出来事を引き起こすきっかけになっています。富士のセリフは、感情だけでできているものが多く、特に後半にかけてはそれが顕著なので、私の喉は潰れかけています。先日演出と耳鼻咽喉科に行き、薬をもらいました。(演出は逆流性食道炎だそうです。絶対に違うと嘆いています。)ここ数日は、食後の祖父母を思い出すほどたくさんの薬を飲んでいますが、本番には必ず万全の体制で舞台をお届けします。
私は普段衣装を務めることが多く、ジゲキの公演で役者を務めるのは今回が2回目です。もちろん衣装として活動するときも自分の作ったものが舞台を彩っている様子を見ると、ワクワクするし自分の仕事の重大さを実感します。ただ、役者を務める時、スタッフの方が頑張っている様子を見たり、完成した衣装や小道具を身につけたり手に取ったりすると、これまで積み上がってきたものが自分たちの演技次第で大きく結果が変わるということを改めて感じて、怖くもなるし、もっと頑張らなくては…と思います。今回でいうと、衣装部署がサイズ合わせのために衣装を持ってきてくれる度に、「衣装はこんなに完成しているのに、私の演技はこんなに完成していない…」と焦っていました。普段なかなか感謝を伝えられていないのでこの場を借りて。スタッフのみなさん、キャストも物量も多くて物語も複雑で大変な中、素敵なものをつくってくれて本当にありがとう。
こうやって今公演で改めて役者の重大さを痛感しているわけですが、この公演期間中も何度も何度も壁にぶち当たっています。4回生となった今でも、「演劇って難しい」ととても思います。私は、大学1年生のときにジゲキに入るまで演劇とは全くもって縁がありませんでした。ずっと陸上部でただ黙々と走っていました。1年生の冬にあったジゲキでの映像作品のための練習が、ジゲキでの初めての対面活動だったのですが、その時の衝撃は今も忘れません。「一つのシーンのために一体何十分話し合うんだ?何をもって演技の正しさを判断するの?」と活動中に疑問ばかり湧き上がってきました。
正直この時に抱いた疑問は、今も演劇って難しいな〜と私が思う理由でもあります。陸上で言うタイムのような絶対的な基準が演劇にはないし、だからこそ自分ではできているつもりでも側から見たらそうではないということが多々あります。また、演劇では考えたり、役者同士で話し合ったりすることが必要です。これまで一人で黙々と頑張ることばかりしてきた私にとっては、今までとは勝手が違い、なかなか苦しいものでした。そういうわけで、「私って演劇向いてないんじゃない?」と感じることはこの4年間の中で数えきれないほど多かったです。でも、これだけたくさんの苦手なことに向き合えたことはすごくよかったなと思うし、苦労する分、自他ともに認めるものができた時はとても嬉しいです。今公演でも、自分でも納得のいく・観客の方にも響くものをつくることができたらいいなと思います。いや、絶対にそうします!
私が入部したのが2020年5月―コロナ禍真っ只中―だったこともあり、初めて見たジゲキの公演は2019年度の卒業公演「リトル・ウェンズデイ」の映像でした。舞台も衣装も音響も照明も全てがキラキラしていて、役者の演技も学生がやっているとは思えないほどのもので、絶対この部活に入りたい!と映像を見て思ったことを覚えています。私の大学生活の目標がその時決まりました。あの時私の心が大きく動いたように、「オイル」を観た誰かの心を少しでも動かせたらいいなと思います!
残り2週間精一杯頑張ります!ご来場、お待ちしています!!
神戸大学演劇部自由劇場vol.226 卒業公演
『オイル』
作:野田秀樹
演出 : 葵衣咲里彩
▼日時
2024年
3月2日(土)13:00〜/17:00〜
3月3日(日)13:00〜
▼場所
シアター300
▼料金
無料カンパ制
▼ご予約はこちらから