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オイル発掘日誌Day8 蝉川編

こんばんは、本日の発掘日記担当の蟬川です。

今公演では衣装と音響のサブ、舞監補佐を担当しております。今回は音響のこだわりについて書いてほしいとのことですが、今公演では今のところ衣装サブとしての活動しかしておりません。なので今回は、これまでの音響チーフ経験を振り返ってのこだわりをいろいろ書いていこうと思っています。少しでもお楽しみいただければ幸いです。

初チーフ作品「パンドラの鐘」の音響チーム


まず、音響のこだわりとして外せないのは【プラン】。演出や役者の表現したいテーマをもとに、どこに曲や環境音を入れようかな?みたいなのを考えていきます。

プラン作成中は基本的に頭を抱えている

音響をやっていて一番面白いと思うのがこのプラン作成。プランの土台になるのは、主に物語の流れと台本のテーマです。物語の軸となるシーンに曲が入っているか、クライマックスに向かって盛り上がるものになっているか、テーマに直結するようなシーンが印象深いものになっているか、などを意識しながらプランを立てます。

もちろん、最初は自分が読みとったシーンの印象や自分の解釈する台本のテーマに沿ってプランを立てるのですが、シーン練習での役者の演技や演出の意見を踏まえてたくさん変更を重ねていきます。活動中、自分の解釈が他の人と違っていることに気づいたり、自分の想像力では思い至らなかったシーンのイメージが提示されたりします。演技や演出が加わって、最初に自分が想像したものと違うものが出来上がっていくことも多いです。シーン練習での役者の思いもよらない演技や演出の話してくださる内容に影響を受けて、音響としての色んな表現ができるようになります。自分の想像しなかった方向に物語が生きて進んでいく感じが、ジゲキで活動していて一番楽しいと思うことです。

そして、音響のこだわりをもう一つ挙げるとしたら【オペ】。本番中に曲や環境音、効果音を流す仕事のことです。ジゲキでは、本番中演技を見ながらリアルタイムでオペをしています。ジゲキはきっかけに多くの時間を割いてくれる団体です。自分一人での練習を欠かさないのはもちろんのこと、実際の役者の演技と合わせたときに自然で美しいきっかけになっているかどうかを試す時間や合わせて練習する時間をいただいて、クオリティの高いオペを目指しています。

オペをやるうえで最も気を付けるのは、お客さんのストレスになっていないかどうかです。シーンの雰囲気を演出するための曲ならあくまでもさりげなく、幕前(開演直前に流れる曲)やパフォのようにお客さんを盛り上げるための曲なら一緒に盛り上がって、お客さんの気持ちにもより添えるような自然なオペを目指して日々練習しています。自分の指先一つで会場の空気が変わるのを体感すると、音響ってやめられないなあと思います。

オペ練中。いかつい。

長々と音響のこだわりについて綴ってしまいました。ここまで読んでくださってありがとうございます。個人的なことになりますが、私が初めて音響チーフを担当したのは、今公演「オイル」の片割れともいえる作品「パンドラの鐘」でした。「オイル」にも「パンドラの鐘」を意識した部分がちりばめられていますし、役者もスタッフも昨年度よりもパワーアップしているなと感じます。一部員として、本番が楽しみです。

ジゲキの舞台を見たことのある方もそうでない方も楽しめるような舞台に仕上げていきますので、是非足をお運びください。皆様に会場でお会いできることを楽しみにしています。


神戸大学演劇部自由劇場vol.226 卒業公演
『オイル』
作:野田秀樹
演出 : 葵衣咲里彩

▼日時
2024年
3月2日(土)13:00〜/17:00〜
3月3日(日)13:00〜

▼場所
シアター300

▼料金
無料カンパ制

▼ご予約はこちらから

https://ticket.corich.jp/apply/298712/

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