オイル発掘日誌Day14 月野みい編
月野みぃ、4回生です！
4回生なんですが、ジゲキは2年目です。3年次編入で神大に入学して、そこから入部したので、気持ちは2年生。4年間居たかったなー。
今までジゲキの公演では主に役者で参加してきて、卒業公演も役者で出る気満々だったんですが、のっぴきならねぇ事情でどうしても本番日が空けられず…泣く泣く役者を断念しました。今回は演出補佐という、まあ文字通り演出の補佐をするお仕事をしています。役者やりたかったな……『オイル』だったら已己巳己（いこみきって読むんですよ初見絶対読めないですよね）ちゃんが演ってるマッサーカとか、毛利れいちゃんが演ってる主人公富士とか、絶対お芝居楽しいだろうな〜。
今回演出が役者を掛け持ちしているので、演出が前から練習を観たいときは代役をやったり、演出が役者として立ってる練習を前から観たり、役者の自主練を観たり…忙しい。けど、みんなの上達を特等席で観れるのは特権ですね！ 本番までどんなふうにみんなが進化していくのか、楽しみです。最終成果を観にきてね！
私は中学も高校も演劇部でした。もっと言えば小学生の頃から出し物係みたいなのでやりたい人募ってお芝居してました。お芝居が大好きでお芝居しかしてこなかった人生です。私お芝居の何が好きなのかなーって最近考えてみたんです。自分じゃない誰かになれるところ。人生は一度きりだけど、お芝居をやっていれば何通りもの人生を生きれます。現実世界じゃ経験できないような出来事とか感情とかを体感できるのは私にとって最高の魅力かも。観てくれるお客様に体当たりで表現できること。お芝居というくくりだと映像とか声劇とかいろいろあります。今までそういう表現にも触れてきたけど、やっぱりお客様と時間を生で共有できて、全身全てが表現の手段になる舞台がいちばん好き。2時間近くの時間、ぶっ通しで役を演じ切るのはもはや役の人生を生きてる。楽しいのほんとに。これ以上好きなことにたぶんこの先も出会わないです。
演劇を始めて10年くらい経つもので、こだわりというのはいっぱいあります。卒論も演技と演出のことについて書きました、40,000字。いちばんのこだわりは、いつお客様が私に目線を向けても何考えてるかわかるような隙のない演技をすること。演技するってなるとどうしても自分がセリフを話しているときをメインに考えがちですが、個人的に役の個性とか感情って、セリフを話しているときよりも相手のセリフを聞いている時に出ると思うんです。相手のセリフをどのように聞くのか、どの情報に反応するのか、その反応はどんなものか。これを丁寧に見せることで、役が何を考え感じているのかがお客様に伝わり、役が生きた人間に見えるなという実感があります。最近はむしろセリフを聞いているときのお芝居の方が楽しかったりします。2023年度新歓公演『月影花之丞大逆転』でクライマックス前にモスコウィッツ北見が長い説明をするシーンがあったのですが、そこの説明の聞き方とか、めっちゃ楽しかったです。
あと一等好きなのは「間」と呼ばれるセリフのない時間。沈黙は言葉よりも多くのものを感覚的に語ることができて、うまいこと使えるとかっこいいなと思います。ついやっちゃう。言葉がないと、お客様は舞台上にいる人の一挙一動を集中して観るんです。そこでの小さな動きとか表情とか呼吸とかで大事なものが伝わる演技って胸に響くんですよね。観ててすごいなって思うし、そういう演技ができる人になりたい。2023年度7月公演『楽屋』は私が演出をしたんですが、演出をするときも間を大事に演出しました。喧嘩をして、怒りが落ち着いてまた会話が始まるまでの間とか、誰かの存在に気づいてそれについて話すまでの間とか、会話が自然に見えるように意識して間をとるように指示しました。特に、女優Cが楽屋を去ったあと、残された3人の女優が会話を始めるまでの間はすごく長くとってとお願いしました。ここは、今まで知らなかった女優Cの苦しみや葛藤、女優として生きる覚悟などに3人が言葉を失い時間を忘れるほど圧倒されてほしくて。そしてその様子がお客様にしっかり重く伝わってほしくて。その間の動きや表情も細かく要望を伝えました。役者側はやっぱり沈黙が続くと不安になってしまうものなので難しい指示だったと思うのですが、本番は最高の演技をしてくれました。感謝。
長く熱く語ってしまいました。本当にお芝居が好きでお芝居だけをしてきたので、ほんといくらでも語れます。もっと聞きたい方はいつでも連絡してください。こんな熱い思いを持ちながら役者と共に日々練習に励んでいます。2020年度生卒業公演『オイル』、どんな作品に仕上がるのか！ぜひみなさま劇場でご覧くださいね〜！！
神戸大学演劇部自由劇場vol.226 卒業公演
『オイル』
作：野田秀樹
演出 : 葵衣咲里彩
▼日時
2024年
3月2日(土)13:00〜／17:00〜
3月3日(日)13:00〜
▼場所
シアター300
▼料金
無料カンパ制
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