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なぜ安定した自衛官という生活を捨てて経営者になったのか?

何で安定している自衛隊を辞めて経営者になったんですか?
とよく質問されるので、この場を借りて回答させていいただきます。

元航空自衛官、現在は経営者をしていますアッシュです。

結論、自衛官は安定していません。
3つ理由があります。

一つは定年年齢が早いこと
自衛官は50代半ばで定年退職になります。早い人で54歳です。
年金が65歳からなのでそれまで退職金でと考えている人もいるかもしれませんが、退職金は年々減っています。
若年給付金制度がありますが、再就職して一定の年収以上稼ぐともらえません。
自衛官は退職後も稼いではダメなのです。
そのように告げられているのと同じです。
国家のために自分の市場価値を犠牲にしたのだから、再就職先で稼ぐ額によらず満額の若年給付金を渡してほしいものです。

二つ目は再就職先がないこと。
自衛隊の業務はかなり特殊なので、なかなか一般社会では使えないものばかりです。
一部の高級幹部は関係企業に再就職できますが、そのほか大勢の再就職先は必然的に単純労働しかありません。
単純労働で自衛隊の定年前の給料程稼ぐことは到底無理で、大体7割~半分くらいに収入は減ります。
しかも、50代後半で新しい仕事を覚えるのはなかなか大変で、定着率が悪いことも問題になっています。

三つ目は精神疾患を負う、最悪の場合自殺するリスクが高いこと
2023年の防衛白書では、直近一年間で自殺者数が79名に上り、前任日1.4倍になったことが分かりました。
日本全体と比較すると、
日本全体の自殺者数は10万人あたりに17.2人で、0.017%になります。
一方、自衛隊は約227000人のうち79名ですので0.035%と約2倍になっています。
それに合わせてうつ病の患者数も多いことが問題になっています。

それでも自衛官はギリギリの生活を続けています。
いつ壊れるか分からない精神と付き合いながら毎日任務に励んでいます。

私は、平時において自分が壊れるまで勤務する必要はないと思っています。
単純に可哀そうですし、戦力が下がるからです。しかも、精神疾患になれば退職しても一般社会で十分い働けなくなったり、セカンドライフを形成することは難しくなるでしょうし、ということは生産性を下げることになります。

弊社はそのようなギリギリの自衛官のサポートを行い、もって防衛力と国益を維持することを理念に事業をしています。

私はそのために自衛隊を辞めました。

ではまた。

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