全寮制の防衛大学校。豊かさのための究極の環境設計がそこにあった。
どうも、元航空自衛官、現在経営者のアッシュです。
私は防衛大学校の56期で現在34歳です。
防衛大学校にはテレビがなく必要最低限の私物しか持てないような環境でした。携帯も日中は扱えなかったので触れることすらなかったです。
極端に情報から隔離されてしまいましたので、在学中はAKB48の存在を知りませんでした。
今思えばどうやって生活していたか思い出せないくらいですが、何かに依存することがなかったという点に関して言えばメリットがかなりあったと思います。
防衛大学校ではみんなが高い意識をもって生活しています。
これは、娯楽や打ち込むものが画一的になっているため、価値観や目標が同じ仲間とコミュニティを形成しやすいことが要因であると考えます。
つまり、同じ目標を持つ仲間に刺激を受けて自らも自己超越を目指すという構図ができているということであり、成功や成長のためを考えればこの上ない環境設計だったと思います。
部活に力を入れている人、開校祭・棒倒しに頑張る人、研究に力を入れる人、あるいはその全てをやる人。これくらいの選択肢でしかないことが不自由でもあり、力の集中に繋がったということです。
さらに、校内で飲酒も禁止されていたので、飲酒した日とその翌日のパフォーマンスが低下するみたいなことがなく、コンスタントに努力できる環境が出来上がっていました。
この画一的な価値観はおそらく、戦後日本の高度経済成長期の日本のそれと同じではないかと思います。皆がテレビで野球やプロレスを見る。
アイドルは本当にアイドル。
流行りはみんなが真似したがる。
防衛大もまさにそんな感じでした。
今、巷では労働時間が長いと過労死のリスクがあるという固定概念によって、自分を使い果たせないでいる人がたくさんいます。
オーバーワークをし続けてきた身からすると、過労や精神崩壊するパターンは労働時間の長さではなく自己不一致の状態をどれだけ継続したかだと思います。
防衛大、全寮制も同じで朝起きて夜寝るまで上級生の監視下にあり厳しい指導を受けて生活します。
それでも、同期はみんな同じ目にあっていますし、同じ境遇の人の課題と目的やゴールは一緒です。そのレースの中でどれだけ成長できるか上手くやれるか協力できるか上級生のニーズに応えて評価されるかという日々は一般的には不毛でブラックですが、充実感を得られるものでした。
人生から負荷を取り除き続けることが幸福に近づくことなのでしょうか。
便利なもので身の回りを埋め尽くすことが豊かさなのでしょうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?