運動認知リスク症候群(MCR)

運動認知リスク症候群(motoric cognitive risk syndrome:MCR)とは、遅い歩行速度と軽度の認知異常を特徴とし、各国で新しく説明されている前認知症症候群です。
米国イェシーバー大学のJoe Verghese氏らによる研究では、MCRは高齢者で頻度が高いこと、MCRは認知機能低下を強力かつ早期に予測しうることを報告しています。
MCRは認知症への移行率が高いとされており、前段階から予防的なリハビリをしておくことは有用といえます。
また、認知症の予防には運動療法が効果的とされており、セラピストの指導の下、運動習慣を身につけておくことは極めて重要であるといえます。
通所リハや外来で通われてきている高齢者に対しては、運動機能の変化を見るために、定期的に歩行速度を計測している病院や福祉施設は多いかと思います。
今後は歩行速度の低下は運動機能の低下を指すだけではなく、認知機能の低下も示唆していると言えるでしょう。

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