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8/3 ニュースなスペイン語 Otro Ecce Homo:もうひとつのエッケ・ホモ

「エッケ・ホモ(ラテン語で「この人を見よ」の意)」騒動は、今から、約10年前、アラゴン州サラゴサ県のボルハ(Borja)という町で、100年ほど前に描かれたフレスコ画『Ecce Homo(左)』を82歳(当時)の信者が勝手に「修復」してしまった珍事。

史上最悪の修復(la peor restauración)と評されて、まぁ、日本でも話題になった。

で、その『エッケホモ』の再来か(Otro Ecce Homo)、と言われているのが、カスティージャ・イ・レオン州のソリア県にある「ヌエストラ・セニョーラ・デ・ミロン教会(Ermita de Nuestra Señora del Mirón(以下「ミロン教会」と略記))」の天使(ángel)たち。

アップにしたのが以下の画像。

これは修復失敗なんてものじゃないですよ、これは歴史遺産に対するテロ行為です(No estamos hablando de una restauración fallida, sino de un atentado contra el patrimonio)

こう話すのは「スペイン修復技師協会(Asociación de Conservadores Restauradores de España)」の会長フランシスコ・マヌエル・エスペッホ(Francisco Manuel Espejo)。

天使たちだけでなく、左が修復前(antes)の画像なので、カメラアングルがちょっと違うが、教会全体の雰囲気が一変してしまったのは、素人目にも分かる。

ソリア教会は12世紀に起源を持ち、その歴史(antigüedad)、類稀な存在(rareza)、建築的価値(valor arquitectónico)、教会内部の統一感(coherencia interna)、景観への溶け込み(integración paisajística)などから、厳重に保護されている(goza de protección)ので、本来なら、今回の様な事態は起こらないはずなのだが・・・。

エスペッホは、「(そうした建造物を)修復する際には、市役所に計画書を提出して、専門官によって、検討され、承認されなければならないのです(en caso de intervención, se debe presentar un proyecto al ayuntamiento y este debe autorizarlo y examinarlo con un especialista)」と話す。

しかし、ソリア教会は、修復作業は「完全に規則に沿った許可の下(con todos los permisos en regla」la intervención)」行われているとして、結果に不満(descontentos con los acabados)があるのは残念だとしながらも、結局は「好みの問題(es cuestión de gustos)」としている。

今回は結果はもちろんだが、修復作業を誰が認可したかという行政プロセスにも問題がありそうなので、ボルハのエッケ・ホモよりも面倒なことになりそう。

写真は修復後のソリア教会。

ソリアのエッケ・ホモを報じたインスタには、

・これはかなり重い犯罪だ(Eso es un crimen de alto grado)

という声もあるが、

・これはわざとやったんだよ。野次馬がずいぶんボルハのエッケ・ホモを見に行ったみたいだから、ソリアにもやっと同じものができたな(eso esta hecho a propósito,como el ecce homo,la de curiosos que fueron a verlo,pues esto es igual ahora hay algo que ver en Soria)

と皮肉交じではあるが、新たな観光の目玉になるとの声もある。

出典
https://www.elconfidencial.com/espana/castilla-y-leon/2024-08-01/ermita-machado-ecce-homo-angelotes-obras_3934624/  など