10/3 ニュースなスペイン語 Juan Antonio Samaranch:フアン・アントニオ・サマランチ
トーマス・バッハ(Thomas Bach)国際オリンピック委員会(Comité Olímpico Internacional;IOC)会長の任期満了に伴う選挙が年明け3月にあるようで、次期会長候補者の中に、ずいぶん懐かしい名前が出てきた。
サラマンチ会長(当時)と言えば、小生がまだ子どもだった頃、「サラマンチ、タマランチ」などと無邪気にはしゃいでいたのを思い出すが、はて、まだ、ご健在だったかぁ…、と思ってググってみたら、やはり、もう15年前に召されていた。
で、今回、次期会長候補で名の挙がったのはそのサラマンチ元会長の子息(下の写真)のことらしい。
目元や鼻のあたりに父上の面影があるか。
それはともかく……
元会長はフアン・アントニオ・サマランチ・トレジョ(Torelló)、その息子はフアン・アントニオ・サマランチ・サリサチス(Salisachs)というのが本名で、母親の姓だけが異なる。
日本ではサラマンチ・ジュニア(Jr.)と報じられることもあるみたいので、小欄でも、父親と混同しそうな時は、それにならおう。
サマランチJr.は1959年生まれで、現在65歳、英語、スペイン語、カタルーニャ語の他、イタリア語とフランス語にも堪能とのこと。
サマランチは1989年にスペインオリンピック委員会(Comité Olímpico Español) 、2001年にIOCでの委員を務めているので、次期会長のアピールでは、そうした経験を最大限に生かしたい(potenciar todo lo aprendido)ところ。
マドリードは開催地に2012年、2016年、2020年に名乗りを上げた(intentos de de Madrid)が、いずれも、招致を逃した。
サマランチはラジオ番組の中で、「我々は運が無かった(Nosotros no tuvimos suerte)」と述べた。
そして、「運」を「選ばれる才能と呼ぶならば(llamémoslo don de la oportunidad)」と前置きし、「我々は選ばれない才能に長けていた(tuvimos el don de la inoportunidad)」とユーモアを交えて、当時の度重なる不運を嘆いてみせた。
サマランチは
私はマドリードとスペインで、もう一度、オリンピックを開催しなければならないと確信している。いつになるかは分からないが、できるだけ早期に、だ(Yo estoy convencido de que Madrid y España tienen que tener unos Juegos Olímpicos otra vez. Los tenemos que tener. No sé cuándo será, puede ser pronto)
と述べ、スペイン(というか、むしろ、マドリード)でのオリンピック開催に意欲を見せた。
父親のサマランチがIOC会長を勤めていた時(1980年〜2001年)に1992年バルセロナオリンピックがあったので、やはり、その跡を追いたいだろうし、やるからには、親父を超えたいところか。
こんな具合に、否が応でも、父親と比較されるジュニアも気の毒だが、同じ道を歩むことを選んだのだから、まぁ、本人も覚悟の上なんだろうけど。
ちなみに、次期会長には、日本人のワタナベ・モリノリ(Morinori Watanabe)をはじめとして、各国から6名の対抗馬(oponentes)が出るみたい(小欄執筆現在)。
そこで、ちょっと、ワタナベ氏についてググってみたら、出てきたのは「渡邊守成(Morinari Watanabe)」という方だった(下の写真)。
小生は全く存じ上げませんでした…(ちなみに、モリナリもモリノリも両方いるので、まぁ、異国の人には区別は難しいね)。
写真は現役時代フェンシングの選手だったバッハが華麗なサーベルさばきを見せた瞬間(2019年撮影)。
出典
https://www.rtve.es/radio/20240927/radiogaceta-deportes-samaranch-madrid-espana-tienen-tener-unos-juegos-olimpicos/16265777.shtml