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2/18 ニュースなスペイン語 La Manada(2):マナダレイプ事件(2)

2022年11月18日の続報。

これは、2016年7月7日、ナバラ州のパンプローナで開催されていたサン・フェルミン祭で、18歳の女性が5人の男たち(写真)に集団でレイプされた事件。

男たちは「Manada(獣の群れ)」と名付けたSNSを使用していたことから、これが事件の呼称となった。

マナダ事件が発生から8年を経てもなお、メディアに登場するのは、ひとつは、これをきっかけとして「性的自由を保証する基本法(Ley Orgánica de garantía de la libertad sexual)」、通称「ハイはハイだけ法(ley del 'solo sí es sí')」という法律が成立したため。

この法律は小欄でも何度も取り上げた(年月日など)。

だが、「ハイはハイだけ」という、何ともスワリの悪い訳の代わりに、何かない名訳がないものかと思いあぐねたまま、ずっと放置してきたが、主旨は、

女性が明確に「OK」の意志を示した時のみが「OK」ということであって、仕草とか服装から「OK」をしているように見えるからといって、女性の明示的な同意なしに、性的な進展はしてはならない

ということ。

本法は性加害者を、それまでの法律より厳しく罰する目的で制定されたのだが、法理論に不備があったため、厳罰化どころか減刑されたり、中には、刑期が満了してしまい、出所する性加害者が続発するなど、本末転倒の事態で社会が騒然とした(年月日、年月日など)。

そして、マナダ事件が、メディアの注目をいまだに集めているもうひとつの理由が、首謀者である5人の男たちが「ハイはハイだけ法」を根拠に減刑を次々求め、訴えを起こしているという点。

5人のうちのひとりが、禁錮15年が14年に減刑された(rebaja de 15 a 14 años de la pena)のが2023年のこと。

そして、今月に入って、残りの4人が次々と減刑措置を求めて、訴えを起こしたということが、ニュースになっている。

自分らの犯罪によって制定された法律を適用し、自らの刑を減じて欲しいと申し出る、恥も外聞もない、バツの悪さ。

現行の法理論では、この減刑が可能になってしまう見込みという理不尽。

そして、何より自分たちのグループを「獣(ケモノ)」と呼び、獣(ケダモノ)の如くひとりの女性をいたぶっておきながら、妙な理性に目覚め、減刑を声高らかに叫ぶ。

いろんな意味であと味が悪い。

写真はマナダ事件の5人の容疑者。

偶然か、意図的か分からないが、どことなく風貌が似ている。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20250212/otros-dos-miembros-manada-piden-rebaja-penas-por-ley-del-solo-si-si/16447254.shtml